今回のテーマは「老後資産をどう準備するか」です。
人生100年時代と言われる今、「老後2000万円問題」が話題になり、老後資金への不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
・銀行に預けているだけだと、つい使ってしまう
・自己管理が苦手で、計画的に貯められない
・将来のために何か始めたいけれど、何をすればいいかわからない
そんな方におすすめなのが
iDeCo(個人型確定拠出年金)です。
この記事では、FPの視点からiDeCoのメリット・デメリットと節税効果を、難しい専門用語なしにわかりやすく解説していきます。
老後資金の準備は、「知っているか・知らないか」で将来が大きく変わります。
まずは制度を理解するところから、一緒に始めてみましょう!
iDeCoは「積立時・運用時・受取時」の3段階で税優遇がある私的年金。掛金は全額所得控除で節税できます。ただし原則60歳まで引き出せないため、生活防衛資金を確保したうえで始めるのが鉄則です。
iDeCoとは?
日本の年金制度は「3階建て」と呼ばれる構造になっています。
iDeCoは3階部分になります。

iDeCoは公的年金(1階・2階)に上乗せする3階部分です。自分で積み立て、自分で運用する私的年金にあたります。
※年金制度の全体像が気になる方はこちら

iDeCo(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」のことで、公的年金に上乗せして自分で老後資金を準備するための私的年金制度です。
一言でいうと「節税しながら老後資金を作る仕組み」です。
・毎月一定額を積み立てる
・自分で運用商品を選ぶ
(投資信託・定期預金など)
・原則60歳まで引き出せない
・運用益は非課税
加入できる対象者と掛金上限
iDeCoは20歳以上65歳未満の方が加入でき、職業によって毎月の掛金上限額が異なります(2024年12月改正後・出典:厚生労働省/iDeCo公式)。
| 加入区分 | 掛金上限(月額) |
|---|---|
| 自営業・フリーランス | 68,000円 |
| 会社員(企業年金なし) | 23,000円 |
| 会社員(企業型DCのみ) | 20,000円 |
| 会社員(DB+企業型DC) | 12,000円 |
| 公務員 | 12,000円 |
| 専業主婦(夫)(第3号) | 23,000円 |
※企業型DCでマッチング拠出を選択している方は、iDeCoとの併用ができません。また、自営業の68,000円は国民年金基金・付加保険料との合算枠です。
iDeCoのメリットは?
① 掛金が全額所得控除になる
毎月の掛金がすべて所得控除の対象になり、所得税・住民税が軽減されます。
たとえば、企業年金のない会社員が月2.3万円(年27.6万円)を拠出し、所得税+住民税の税率が合計20%の場合、年間約5.5万円の節税になります。年収が高いほど節税効果は大きくなります。
ぎゅうた「積み立てながら税金も減るってどういうこと? ちょっとイメージがわかないな…」


iDeCoの掛金は全額が所得から差し引かれ、その分の所得税・住民税が軽くなります。積み立てながら、毎年の税金も減らせるのが大きな魅力です。
② 運用益が非課税
通常、投資で得た利益には約20.315%の税金がかかります。
iDeCoでは運用益がすべて非課税になるため、長期運用との相性が非常によい制度です。
③ 受け取るときも控除が使える
・一時金で受け取る場合
→ 「退職所得控除」が使える
・年金形式で受け取る場合
→ 「公的年金等控除」が使える


一時金受取は退職所得控除、年金受取は公的年金等控除の対象です。受け取り方で使える控除が変わるため、出口戦略も大切になります。



「積立時・運用時・受取時」の3段階で税優遇があるのは、日本の金融制度のなかでもかなり優遇された仕組みです。
iDeCoのデメリットは?
① 原則60歳まで引き出せない
教育資金・住宅購入・急な出費など、60歳前に使うことはできません。



「急な出費があったときに引き出せないって、ちょっとこわくない? 生活費が足りなくなったらどうするの?」



「そこが最大のデメリットですね。だからiDeCoに回すお金は、生活防衛資金をしっかり確保したうえで、それ以外の余剰資金から積み立てるのが鉄則です。」
② 元本保証ではない
投資信託を選んだ場合、元本割れの可能性があります。
長期運用が前提の制度なので、自分のリスク許容度に合った商品選びが重要です。
③ 手数料がかかる
・加入時手数料(初回のみ)
・毎月の口座管理手数料
・金融機関ごとの運営管理手数料
少額積立だと手数料負担が相対的に大きくなるため、手数料の低い金融機関を選ぶことが重要です。
④ 職業によって拠出上限に差がある
先述の表のとおり、職業や加入している企業年金の種類によって掛金上限が大きく変わります。
企業型DCのマッチング拠出を選択している方はiDeCoと併用できない点も注意が必要です。
▼企業型DCについてはこちらの記事をご覧ください


FPみるはなぜiDeCoに入っていない?
私自身は現在、会社のDB(確定給付企業年金)と企業型DCの両方に加入しており、企業型DCのマッチング拠出を上限いっぱいまで活用しています。
この場合、制度上iDeCoとの併用はできません。
ただ、これは老後資産の積み立てという意味では恵まれた環境だと思っています。
iDeCoが”入れない”のではなく
“すでに十分な仕組みが整っている”という状態ですね。
iDeCoに向いているのは、こういった企業年金の恩恵が薄い方、特に自営業・フリーランスや、企業年金のない会社員の方です。
iDeCoを始めるならどこで開設する?
iDeCoは証券会社や銀行などで口座開設できます。
手数料の安さ・商品ラインナップの豊富さから、ネット証券での開設が有利です。
運営管理手数料が無料で、低コストの投資信託をそろえているネット証券なら、長期運用でも手数料負けしにくいのが特徴です。
iDeCoのよくある質問は?
- iDeCoとNISAはどっちを優先すべき?
-
目的によって異なります。いつでも引き出せる柔軟さを重視するならNISA、節税効果と老後資金づくりを重視するならiDeCoが向いています。iDeCoは掛金が全額所得控除になる強みがある一方、原則60歳まで引き出せません。両者は併用できるので、まず生活防衛資金を確保し、教育費や住宅資金はNISA、老後専用資金はiDeCo、と役割を分けるのがおすすめです。
- iDeCoは途中でやめられる?
-
原則として解約してお金を引き出すことはできません。ただし、掛金の拠出を停止して「運用指図者」になることは可能です。この場合、新たな積み立ては止まりますが、それまでの資産は60歳以降まで運用が続きます。なお、拠出を止めても口座管理手数料はかかり続けるため、停止する場合は手数料とのバランスを確認しておきましょう。
- 専業主婦(第3号)がiDeCoに入る意味はある?
-
所得がない場合は掛金の所得控除メリットを受けられないため、節税目的での加入妙味は小さくなります。ただし、運用益が非課税になる点と、受取時に退職所得控除・公的年金等控除が使える点はメリットとして残ります。将来パートなどで所得が生じれば控除も活きてくるため、ライフプランに合わせて判断するとよいでしょう。
まとめ


掛金上限・企業年金の有無・生活防衛資金の有無を確認しましょう。当てはまる項目が多いほど、iDeCo向きといえます。
まずは自分の掛金上限額と、勤め先の企業年金の種類を確認するところから始めてみましょう!
▼ 年金カテゴリの記事をもっと見たい方はこちら









