会社員として働いていると、給料明細を見てこう思ったことはないでしょうか。
「厚生年金、高すぎない?」
実際、給与から毎月数万円が引かれているため、
「こんなに払う意味あるの?」と感じる人も多いと思います。
私自身も会社員として働きながら、最初に給与明細を見たときは同じことを思いました。
さらに周りでは
「どうせ将来は年金なんてもらえない」
「払うだけ無駄」
そんな声もよく聞きます。
しかし、FPの視点で制度を見てみると、厚生年金は実はかなり有利な制度だと分かります。
・会社が保険料を半分負担してくれる
・一生受け取れる終身年金
・障害年金や遺族年金の保障
といった特徴があるからです。
つまり厚生年金は、単なる「老後のお金」ではなく
会社員の生活を守る社会保障制度でもあります。
この記事では、会社員でありFPでもある私の視点から厚生年金の仕組みや受給額についてわかりやすく解説します。
厚生年金とは
厚生年金とは
会社員や公務員が加入する公的年金制度です。

日本の年金制度は「3階建て」と言われています。
会社員の場合、国民年金・厚生年金を同時に加入していることになります。
そのため、自営業やフリーランスと比べると
会社員の方が将来の年金額は多くなる傾向があります。
▼年金制度についてはこちら

厚生年金の保険料
厚生年金の保険料は、給与によって決まります。
保険料率は18.3%ですが、会社員の場合は
会社と本人で半分ずつ負担します。

相談者保険料が高いと思ってたけど、会社が半分出してくれてると聞くと、ちょっと見方が変わりますね。



そうなんです。自営業やフリーランスは国民年金を全額自己負担なので、会社員の半額負担は本当に大きなメリットです。給与明細の「厚生年金」欄は、会社がすでに同額を上乗せしてくれた後の金額だと思ってください。
なお、保険料の計算には実際の月収ではなく
「標準報酬月額」という区分が使われます。
▼ 標準報酬月額についてはこちら


厚生年金はいくらもらえる?
厚生年金は・平均年収・加入期間によって受給額が変わります。
受給額の計算式


年収別・受給額の目安(加入40年想定)
下記は、平均年収別に試算した厚生年金の受給額の目安です。
いずれも加入期間40年(480ヶ月)、老齢基礎年金は約6.7万円/月として算出しています。
| 平均年収 | 厚生年金(月額目安) | 国民年金込みの合計(月額目安) |
|---|---|---|
| 300万円 | 約6〜7万円 | 約13〜14万円 |
| 400万円 | 約8〜9万円 | 約15〜16万円 |
| 500万円 | 約10〜11万円 | 約17〜18万円 |
| 600万円 | 約12〜13万円 | 約19〜20万円 |
| 800万円 | 約15〜16万円 | 約22〜23万円 |
この試算はあくまで目安です。
正確な見込み額は「ねんきんネット」や毎年届く「ねんきん定期便」でご確認ください。



年収によってこんなに差が出るんですね。ということは、早めに自分の見込み額を把握しておいた方がよさそうだ。



まさにそうです。ねんきんネットに登録すると、いつでも自分の年金見込み額を確認できます。老後の資金計画は「公的年金でいくらもらえるか」を把握することが出発点。ここを知らずに投資や保険を考えても、必要額がずれてしまいます。
より詳しく試算したい方は厚生年金シミュレーター(厚生労働省)もあわせてご活用ください。
厚生年金のメリット
年金額が増える
厚生年金は給与と加入期間に比例するため、
長く・高い給与で働くほど将来の年金額が増えます。
終身で受け取れる
厚生年金は一生受け取れる終身年金です。
長生きするほど受給総額は増えていくため、長寿リスクへの備えとして非常に優れています。
会社が保険料を半分負担
自営業の場合は国民年金を全額自己負担ですが、 会社員は保険料の半分を会社が負担します。
FPの視点で見ると、これは実質的に給与の上乗せと同等の価値があります。
障害年金や遺族年金も手厚い
厚生年金に加入していると
・障害厚生年金
・遺族厚生年金
といった保障も上乗せされます。
万が一のときの保障が国民年金より手厚いのも、会社員の大きなアドバンテージです。
FP視点:年金額を把握して、老後の「足りない分」を考えよう
上の試算表を見てわかる通り、厚生年金+国民年金を合わせても、月13〜23万円程度が受給額の目安です。
総務省の家計調査によると、老後の夫婦2人の生活費の目安は月22〜25万円程度とされています。
つまり、年金だけでは毎月の生活費が不足するケースも十分あり得ます。
だからこそ大切なのが、現役のうちから収支を把握して、自分で備えを積み上げていくことです。
まとめ
厚生年金は、会社員や公務員が加入する公的年金制度で
国民年金に上乗せされる仕組みになっています。
- 保険料は会社と半分ずつ負担→実質的に給与の上乗せ
- 給与と加入期間に応じて年金額が増える
- 終身受給+障害・遺族保障も手厚い
- 年収500万円・40年加入で月約17〜18万円が目安
- 老後の不足分は現役のうちから把握・準備することが大切
年金制度を正しく理解することで、 将来の資金計画も立てやすくなります。
まずは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で、自分の見込み受給額を確認してみましょう。
次に読むべき記事
厚生年金の基本が見えたら、次は「3階部分(私的年金)の活用」を考えましょう。











