確定給付企業年金(DB)とは?DCとの違いと仕組みをわかりやすく解説

会社員の約23%が加入しているのに、DCより圧倒的に存在感が薄いDB(確定給付企業年金)。

理由はシンプルで、「運用も管理も会社まかせ」だから、自分ごととして意識しにくいんです。

でも、退職時にいくらもらえるかを知っておくだけで、老後の不安はぐっと減ります。

この記事では、DBの仕組み・DCとの違い・受取時の税金まで、FP1級の視点でわかりやすく解説します。

目次

DB(確定給付年金)とは

DBとは、将来もらえる年金額があらかじめ決まっている企業年金のことです。

日本の年金制度は「3階建て」と表現されることがあります。

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DBはこの3階部分に位置する制度で、会社が年金を積み立て・運用し、 退職後に社員へ給付します。

運用がうまくいかなくても不足分は会社が負担する義務があるという点です。
つまり、社員側には運用リスクがほとんどありません。

退職後の受取方法は会社によって異なりますが、
・年金として毎月受け取る
・一時金(まとめて)で受け取る
・両方を組み合わせる

といった選択肢があることが多いです。

相談者

「運用は会社がやってくれるんだ!じゃあ私は何もしなくていいの?」

みる

「おまかせなのは確かだよ。でも、自分がいくらもらえるかを把握しておくことはすごく大事。”おまかせ=放置でいい”は違うからね」

DBはいくらもらえるの?

DBの給付額の計算式は会社ごとに異なります。代表的な方式は2種類です。

①給与比例型

給与が高く・勤続年数が長いほど、受取額が増える仕組みです。

②ポイント制

ちなみに私自身は勤続20年で約300ポイント(1pt=1万円換算)が積み上がっています。

運用は会社に任せていますが、毎月一度は現在のポイント状況を確認するようにしています。

自分の給付額を確認する方法

まずはの通知書から確認するのがいちばん手軽です。

年に1回程度送られてくることが多いので、捨てずに保管しておきましょう。

DBとDCの違い

DBとよく比較されるのが「DC(確定拠出年金)」です。 名前は似ていますが、仕組みはまったく異なります。

よかったら下記の企業型DCについての投稿をご覧ください。

スクロールできます

近年は、会社側の負担(運用リスク・積立コスト)を減らすため、 DBからDCへ移行する企業が増えています。

▼企業型DCの詳しい仕組みはこちらで解説しています。

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相談者

「DBって、会社が運用に失敗しても自分の受取額は守られるってこと?」

みる

「そうなんです。運用不足が生じた場合、会社側が補填する義務があります。 その安心感がDBの最大の特徴です。ただし、制度自体が変更になるリスクはゼロではないので、定期的な確認は必要ですよ」

DBのメリット

①将来の受取額が決まっている

老後にいくら受け取れるかが事前にわかるため、ライフプランが立てやすいのが最大のメリットです。

DCは運用次第で受取額が変わるため、老後の見通しが立てにくい側面があります。

DBがあることで「守りの資産」が確保され、DCでは積極的に投資に振り切るという **攻守のバランスが取れた資産形成**ができます。

②投資の知識が不要

運用は会社が行うため、自分で商品を選んだり、相場を気にしたりする必要がありません。 投資に不慣れな方や、仕事が忙しくて運用に時間を割けない方にとっては大きな安心材料です。

ただし、「おまかせ=内容を知らなくていい」ではありません。 自分がいくらもらえるかを定期的に把握しておくことは、どんな制度でも大切です。

③安定性が高い

運用リスクを会社が負うため、相場が下落しても受取額は原則変わりません。 NISA・iDeCoなど投資系の資産と組み合わせることで、 リスク分散された老後資金の土台として機能します。

DBのデメリット

①転職に弱い

DBは長く同じ会社で働くほど給付額が増える設計になっています。

途中で転職すると、勤続年数がリセットされるため年金額が少なくなりやすいです。

転職が多いキャリアを歩む方にとっては、DBの恩恵を十分に受けにくい面があります。

②制度変更のリスクがある

会社の経営状況によっては、給付内容が見直されたり、DBからDCへ制度変更されたりするケースもあります。
「今の条件が定年まで続く」とは限らないため、 制度の動向を定期的に確認しておく姿勢が大切です。

③自分で増やすことができない

DBは会社が運用するため、自分で運用商品を選んで増やすことはできません。

安定性と引き換えに、運用益の恩恵は受けられない制度です。

資産を増やしたい場合は、iDeCoやNISAなど自分で運用できる制度を DBと組み合わせて活用するのがおすすめです。

受取時の税金はどうなる?

DBを受け取るときには税金がかかります。受取方法によって課税の種類が変わるため、事前に把握しておきましょう。

受取方法別の課税区分

■ 年金として受け取る場合 → 「雑所得」として課税

公的年金等控除が適用されます。
65歳以上であれば年間110万円までは控除されるため、
年金収入が少ない方は税負担が軽くなるケースもあります。

■ 一時金として受け取る場合 → 「退職所得」として課税

退職所得控除が適用されます。
勤続年数が長いほど控除額が大きくなるため、税負担がかなり軽くなることが多いです。

例)勤続30年の場合の退職所得控除額
  800万円 + 70万円 ×(30年 – 20年)= **1,500万円**

つまり、一時金が1,500万円以下であれば課税所得はゼロになります。

■ 注意点

退職金(退職一時金)とDBの一時金は、**同じ「退職所得」として合算されます**。
両方を同じ年に受け取る場合、控除枠を超えてしまう可能性があるため
受取のタイミングを検討することも重要です。

DBと退職金(退職一時金)は別物

混同されやすいのですが
DBと退職金(退職一時金)は別の制度です。

スクロールできます
項目DB(確定給付企業年金)退職一時金
根拠企業年金法に基づく就業規則・退職金規程に基づく
積立先社外(信託銀行・生命保険など)社内で積立(または無積立)
受取方法年金 or 一時金基本的に一時金
会社倒産時保全される(社外積立のため)リスクあり(社内積立の場合)

DBは社外に積み立てられているため、会社が倒産しても年金資産は保全される点が大きな違いです。

退職金は会社内で積み立てているケースも多く、万が一の際のリスクは異なります。

自分の会社にDBと退職金の両方があるのか、どちらかだけなのかを 一度人事部門に確認しておくと安心です。

まとめ

今回はDB(確定給付企業年金)の仕組み・DCとの違い・受取時の税金・退職金との違いまでを解説しました。

  • DBは「将来の受取額があらかじめ決まっている」企業年金
  • 運用リスクは会社が負うため、社員側の負担は少ない
  • 受取方法(年金 or 一時金)によって税金の種類が変わる
  • 退職金とは別制度であり、社外積立で保全性が高い
  • 転職や制度変更のリスクは把握しておく必要がある

DBは「おまかせ」だからこそ、定期的な確認が大切です。
私自身も毎月一度、積み上がっているポイントを確認するようにしています。

退職時に受け取るDB・DC・退職金は、すべて自分の大切な資産です。
「なんとなく入っている制度」のままにせず、一度しっかり確認してみてください。

年金制度をもっと深く知りたい方はこちらもどうぞ。

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