以前の記事で、副業が住民税をきっかけに会社にバレる仕組みと、その対策の全体像について解説しました。

その中で、最も重要な対策としてお伝えしたのが「普通徴収を選択すること」でした。
では実際に、どうすれば普通徴収を選べるのか?
この記事では、副業の住民税を普通徴収にする具体的な手順を、FP1級技能士の私が7年間実践してきた実体験を交えてわかりやすく解説します。
相談者「普通徴収にすればいい」ってよく聞くけど、確定申告書のどこを、どう書けばいいのか全然わからないんだよな…。



大丈夫ですよ、けんじさん。やることは確定申告書の1箇所に『◯』を書くだけです。順番に見ていきましょう。
結論
確定申告書 第二表
「住民税・事業税に関する事項」欄の
「自分で納付」に◯印
これが普通徴収を選択するための唯一の操作です。
たった1箇所のチェックで、副業分の住民税だけを会社と切り離して、自宅に納付書が届くようになります。
手順① 確定申告書を作成する
まず、確定申告書を作成します。
- 会計ソフトで作る
(freee・マネーフォワード・弥生など) - 国税庁「確定申告書等作成コーナー」で作る
どちらでも普通徴収は選択できますが、初めて副業の確定申告をするなら会計ソフトがおすすめです。
理由はシンプルで、住民税の選択欄がガイド形式で表示されるため、うっかり見落とすリスクが極めて低いからです。



会計ソフトって色々あって、どれを選べばいいかわからない…



会社員の副業レベルなら、大手3社のどれを選んでも問題ないですよ。料金と機能で比べてみましょう。
副業の確定申告に使える主要3ソフト比較
| ソフト名 | 特徴 | おすすめ層 |
|---|---|---|
| freee会計 | 質問に答えるだけで申告書が完成する初心者設計 | 簿記知識ゼロで始めたい人 |
| マネーフォワード クラウド確定申告 | 銀行・証券・クレカと自動連携が強力。会社員の副業と相性◎ | 本業の給与とのデータ統合をしたい人 |
| 弥生 青色申告オンライン | 業界最大手の安心感。初年度無料プランあり | コストを抑えたい人 |
どのソフトも無料体験・無料プランがあるので、自分に合うか試してから決められます。
副業の確定申告デビューで失敗したくない方は、まず公式サイトで機能をチェックしてみてください。
手順② 住民税の項目を選択(ここが最重要)
確定申告書ができたら、第二表の下部を確認します。
自分で納付 ← ここに◯


紙で申告する場合、多くの人がチェックマークを書いてしまいがちですが、正式な記入方法は「◯」で囲むです。e-Taxや会計ソフトの場合は選択式なので、該当項目を選ぶだけでOKです。
この1箇所を選択しないと、副業分の住民税も会社に通知されてしまう可能性があります。



ここを忘れる人が本当に多いんです。私も初年度、見落としそうになってヒヤッとしました。最後の確認事項として必ずチェックしてください。
手順③ 確定申告書を提出する
作成した申告書を税務署に提出します。
- e-Tax(電子申告)
- 郵送
- 税務署窓口
どの方法でもOKです。
e-Taxならスマホから完結するので時間のない会社員にはおすすめです。
反映されるタイミング
普通徴収の選択は、翌年6月以降の住民税に反映されます。


注意点(必ず確認してほしい3つ)
① 給与所得の副業は、普通徴収を選べない
ここは誤解が多いポイントです。
アルバイト・パートなど「給与所得」の副業は、原則として普通徴収を選択できません。
住民税は「給与所得」に対しては特別徴収が法令上の原則義務とされているため、いくら確定申告で「自分で納付」を選んでも、給与所得分は本業の会社に合算通知されるケースが大半です。
副業バレを完全に防ぎたいなら、業務委託・事業所得・雑所得として受け取れる働き方(ライティング・デザイン・動画編集など)を選ぶのが現実的な対策になります。
② 自治体によって対応が異なる
普通徴収を選択しても、自治体の運用によっては特別徴収に合算されてしまうケースがあります。
特に近年は「特別徴収の徹底」を進めている自治体が増えており、確定申告書の選択が100%尊重されるとは限りません。
③ チェック漏れに注意
第二表の該当欄が未記入の場合、自動的に特別徴収となってしまいます。提出前に必ず最終チェックを。
副業所得20万円以下の人へ
「20万円以下でも手続きは必要?」】
副業所得が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。
会社員の場合、以下のいずれかの対応が必要になります。
・医療費控除などで確定申告する場合
→ 第二表で「自分で納付」を選択
・確定申告しない場合
→ お住まいの市区町村役場で「住民税申告書」を提出し、普通徴収を希望する旨を伝える
「20万円以下なら何もしなくていい」と誤解している人が非常に多いですが、住民税の申告義務は所得額に関係なく発生します。
忘れずに手続きしましょう。
申告後にやっておくと安心な2つのこと
① 自治体へ一言確認の電話を入れる
確定申告書を提出したあと、念のため住んでいる自治体の住民税担当課に「副業分は普通徴収でお願いします」と電話で一声かけておくと、反映漏れのリスクが大幅に下がります。
私も初年度はこれをやりました。5分で終わります。
② 6月頃に届く住民税決定通知書を必ずチェック
毎年6月頃、会社経由で「住民税決定通知書(本人用)」が配られます。
ここを確認するポイントは次の通り。
- 「給与所得以外の所得にかかる住民税額」欄が0円になっているか
- 本業の給与に見合った税額に収まっているか
この2点がクリアされていれば、普通徴収への分離が正しく処理されています。


実体験:7年間バレずに運用できた理由
私が副業を始めた当時は、今ほど副業が一般的ではありませんでした。
特に私は大手企業に勤めていたこともあり、周りに個人事業主として活動している人はほとんどおらず、「個人事業主になるのはリスクがあるのでは…」と感じる場面も多かったです。
それでも、会社以外の収入源を持つことが将来のリスク分散になると考え、自分で調べながら行動しました。
私が7年間バレずに運用できている理由は、シンプルに3つ。
- 毎年欠かさず確定申告をしている
- 第二表で「自分で納付」を必ず選択している
- 6月の住民税決定通知書を必ずチェックしている
この3点を守るだけで、現在まで会社に副業を指摘されたことは一度もありません。



毎年ちゃんと申告して、通知書のチェックも忘れない。当たり前のことを当たり前にやるのが一番大事なんだな。



その通りです。特別な裏技はありません。手続きを正しくやる、それだけなんです。
※ただし、これはあくまで私の一例です。自治体の対応や副業の内容によって結果は異なるため、ご自身のケースに応じて判断してください。
まとめ
- 普通徴収は**確定申告書 第二表「住民税・事業税に関する事項」**で選択
- 「自分で納付」に**◯印**を記入するのが最重要
- 給与所得の副業は原則として普通徴収を選べない
- 自治体によって対応が異なるため、事前確認がおすすめ
- 申告後は住民税決定通知書のチェックを忘れずに
副業バレ対策としては非常に有効な手段ですが、「絶対」ではない点は理解しておきましょう。
さらに一歩進みたい方へ
住民税や所得税の負担をもっとコントロールしたい方は、青色申告の活用がおすすめです。
青色申告特別控除(最大65万円)を使えば、副業所得そのものを圧縮できるため、住民税も所得税も大きく下がります。
会計ソフトを使えば青色申告も難しくありません。
上記で紹介した3ソフト(freee・マネーフォワード・弥生)はすべて青色申告に対応しています。


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