ぎゅうた「雇用保険っていろんな給付があるんだね…。失業手当、育休、資格の講座まで。結局ぜんぶで何種類あって、自分はどれが使えるの?」



「そこで今回は全体像を整理します。雇用保険は大きく3つの柱に分かれていて、そこから枝分かれする構造。地図を持っておけば、自分に必要な給付にすぐ辿り着けますよ」
雇用保険には、失業したときの基本手当から、育児・介護の休業給付、資格取得を支援する教育訓練給付まで、幅広い給付があります。
この記事では1級FP技能士の視点で、雇用保険の給付を体系図で一覧に整理し、それぞれの解説記事へご案内します。「自分はどれが使えるのか」を確認する地図としてお使いください。
雇用保険は①失業等給付②育児休業給付③雇用保険二事業の3つで構成されます。中心となる失業等給付はさらに求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付の4種類に分かれます。労働者が受け取るのは①②で保険料は労使折半、③は事業主のみが負担し助成金の財源になります。
雇用保険の全体像|3つの柱と体系図
雇用保険の給付は、まず大きく3つに分かれます。


| 3つの柱 | 内容 | 保険料の負担 |
|---|---|---|
| 失業等給付 | 求職者給付・就職促進給付・ 教育訓練給付・雇用継続給付 | 労使折半 |
| 育児休業給付 | 育児休業給付金・ 出生時育児休業給付金 | 労使折半 |
| 雇用保険二事業 | 雇用安定事業・能力開発事業 (事業主向けの助成金) | 全額 事業主負担 |
まず押さえたいのは「労働者がもらうのは失業等給付と育児休業給付、事業主が助成を受けるのが二事業」という区分です。育児休業給付は以前は雇用継続給付の一部でしたが、現在は独立した柱になっています。保険料の負担区分もこの3つに対応しています。


失業したとき|求職者給付
いちばん知られているのが、失業中の生活を支える求職者給付です。年齢によって受け取る給付が変わります。
| 給付 | 対象 | ポイント |
|---|---|---|
| 基本手当 | 65歳未満の一般被保険者 | 賃金日額の50〜80%を90〜330日分 |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上の高年齢被保険者 | 30日分または50日分を一時金で |




早く再就職したとき|就職促進給付
基本手当を残して早く就職した人を後押しするのが就職促進給付です。支給残日数や対象者によって使える給付が変わります。
| 給付 | どんなとき | ポイント |
|---|---|---|
| 再就職手当 | 支給残日数3分の1以上で 安定した職業に就いた | 残日数×基本手当日額×60〜70% |
| 就業促進定着手当 | 再就職手当を受けた人が 6か月勤務し賃金が低下 | 差額を補てん(上限あり) |
| 常用就職支度手当 | 就職が困難な方が 安定した職業に就いた | 残日数3分の1″未満”でも対象 |
| 就業手当 | — | 廃止されました |











「就職が決まった後にも給付があるんだ!知らないと損しちゃうね」
学び直したいとき|教育訓練給付
雇用保険で唯一働きながら使えるのが教育訓練給付です。講座のレベルによって給付率が変わります。
| 給付 | 給付率 | ポイント |
|---|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 20%(上限10万円) | 事前手続き不要で手軽 |
| 専門実践教育訓練給付金 | 最大80% | 受講前のキャリアコンサルティングが必須 |




働き続けたいとき|雇用継続給付
仕事を辞めずに続けられるよう支えるのが雇用継続給付。60歳以降の賃金低下と、家族の介護に対応しています。
| 給付 | どんなとき | ポイント |
|---|---|---|
| 高年齢雇用継続基本給付金 | 基本手当を受けずに 60歳以降も働き続ける | 賃金が75%未満に低下した月に支給 |
| 高年齢再就職給付金 | 基本手当を受けた後に 60歳以降で再就職 | 支給残日数100日以上が必要 |
| 介護休業給付金 | 家族の介護のために休業 | 賃金の67%/通算93日・3回まで |






子育てのとき|育児休業給付
独立した柱になっている育児休業給付。2つの給付を組み合わせて使います。
| 給付 | 対象の休業 | ポイント |
|---|---|---|
| 育児休業給付金 | 育児休業(原則1歳まで) | 67%→180日経過後50% |
| 出生時育児休業給付金 | 産後パパ育休 (出生後8週間以内) | 最大28日間・67% |
※夫婦で取得すると出生後休業支援給付金が上乗せされます




事業主向け|雇用保険二事業
3つ目の柱が雇用保険二事業。労働者への給付ではなく、雇用安定事業と能力開発事業を通じて事業主への助成を行います。保険料は全額が事業主負担です。


雇用保険で最ももったいないのは、制度を知らずに申請しないことです。特に見落とされやすいのが、再就職後の就業促進定着手当、60歳以降の高年齢雇用継続給付、そして在職中でも使える教育訓練給付。いずれも申請しなければ受け取れません。ライフイベントが起きたら、まずこの一覧に戻って該当する給付がないかを確認する——それだけで数十万円の差が生まれることもあります。
雇用保険の給付一覧|よくある質問(FAQ)
- 雇用保険の給付にはどんな種類がありますか?
-
大きく3つに分かれます。①失業等給付(求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付)②育児休業給付(育児休業給付金・出生時育児休業給付金)③雇用保険二事業(雇用安定事業・能力開発事業)です。労働者が受け取るのは①と②で、③は事業主への助成を行う事業です。
- 働きながらもらえる雇用保険の給付はありますか?
-
あります。代表的なのが教育訓練給付で、在職中でも指定講座を修了すれば受講費用の一部が支給されます。また60歳以降に賃金が下がった場合の高年齢雇用継続給付、家族の介護で休業する場合の介護休業給付金、育児休業中の育児休業給付金も、離職せずに受けられる給付です。
- 雇用保険料は労働者と会社で折半ですか?
-
完全な折半ではありません。失業等給付と育児休業給付に係る保険料は労使折半ですが、雇用保険二事業に係る保険料は全額が事業主負担です。そのため事業主の負担のほうが大きくなります。労働者の給与から差し引かれるのは、失業等給付・育児休業給付に係る分だけです。
まとめ
- 雇用保険は「失業等給付」「育児休業給付」「雇用保険二事業」の3つの柱で構成される
- 失業等給付は求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付の4種類
- 失業時だけでなく、在職中・再就職後・育児介護中にも使える給付がある
- どの給付も申請しなければ受け取れない。ライフイベント時にこの一覧で確認を
雇用保険は「失業したときの保険」というイメージが強いですが、実際は働き続けるための保険でもあります。転職、定年後の再雇用、育児や介護、学び直し——人生の節目ごとに使える給付が用意されています。この記事をブックマークしておき、必要なときに該当の解説記事から詳細を確認してみてください。
▼ 保険・社会保障の記事一覧はこちら
【出典】厚生労働省「雇用保険制度の概要」「雇用保険事務手続きの手引き」/ハローワークインターネットサービス「雇用保険制度の概要」/雇用保険法/各都道府県労働局・ハローワーク




