常用就職支度手当とは?対象者・金額と再就職手当との違いをFPが解説

ぎゅうた

「失業手当の残りが少なくなってから就職が決まった場合、再就職手当はもらえないんだよね…。もう何ももらえないのかな?」

みる

「そこで登場するのが『常用就職支度手当』です。再就職手当とは逆に、残日数が3分の1″未満”の人が対象。ただし45歳以上や障害のある方など、対象者が限られる点がポイントです」

常用就職支度手当は、就職が困難な方が安定した職業に就いたときに支給される一時金です。再就職手当が使えない「残日数が少ない人」を支える給付で、就業促進手当のいわば最後の受け皿。

1級FP技能士の視点で、対象者・金額・再就職手当との違いをやさしく解説します。

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この記事の結論

常用就職支度手当は、45歳以上の人や障害のある方など「就職が困難な方」が、1年以上の雇用が見込まれる安定した職業に就いた場合に支給されます。最大の特徴は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1″未満”でも対象になること。金額は基本手当日額 × 支給残日数に応じた日数 × 40%で、最大でも基本手当の約36日分。再就職手当とはどちらか一方のみで、両方は受けられません。

目次

常用就職支度手当とは?対象者と条件

常用就職支度手当は、求職活動がスムーズに進みにくい方の常用就職を後押しするための給付です。再就職手当が「早く決めた人」への給付なのに対し、こちらは「なかなか決まらなかった人」への救済という位置づけになります。

対象になるのは、次のような就職が困難な方です。

常用就職支度手当の主な支給要件

①就職日において45歳以上の人、障害のある方など「就職が困難な方」であること
②1年以上引き続き雇用されることが確実と認められる安定した職業に就いたこと
③基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満であること
④ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職であること
⑤離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと
⑥待期・給付制限の期間が経過した後の就職であること

雇用形態にきまりはなく、1年以上の雇用が見込まれればパート・アルバイトでも対象です。ただし④のとおり、ハローワーク等の紹介による就職であることが必須。自己応募や知人の紹介では対象になりません(この点は再就職手当より厳しい要件です)。

再就職手当との違いは?どっちが得か

この2つはちょうど裏返しの関係にあります。違いを表で整理しましょう。

常用就職支度手当と再就職手当の住み分けを示した図解。支給残日数が所定給付日数の3分の1以上なら再就職手当、3分の1未満で就職困難者に該当する場合は常用就職支度手当の対象になることを示している
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項目再就職手当常用就職支度手当
対象者制限なし45歳以上・障害のある方など
就職が困難な方
支給残日数所定給付日数の3分の1以上所定給付日数の3分の1未満
紹介経路問わない(給付制限中の1か月間を除く)ハローワーク等の紹介が必須
支給率60%または70%40%
併給どちらか一方のみ(両方は受けられません)
再就職手当と常用就職支度手当の違い
1級FPの視点|「どっちが得」ではなく「どちらに当てはまるか」

金額だけを見れば再就職手当(60〜70%)のほうが手厚く、選べるものではありません。支給残日数が3分の1以上あるかどうかで自動的に振り分けられ、両方を受け取ることはできないためです。常用就職支度手当は「再就職手当がもらえない人のための受け皿」と理解しておきましょう。

ぎゅうた

「なるほど、選ぶんじゃなくて自動的に決まるんだね。残日数が少なくても諦めなくていいのか!」

いくらもらえる?計算方法

金額は「基本手当日額 × 下表の日数 × 40%」で計算します。支給残日数によって、掛ける日数が変わるのが特徴です。

常用就職支度手当の計算方法を示した図解。基本手当日額に、支給残日数に応じた日数(90日・支給残日数・45日)と40パーセントを掛けて算出することを示している
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支給残日数計算に使う日数支給額(基本手当日額を5,000円とした場合)
90日以上90日5,000円×90日×40%=180,000円
45日以上90日未満支給残日数残60日なら 5,000円×60日×40%=120,000円
45日未満45日5,000円×45日×40%=90,000円
常用就職支度手当の計算方法
※基本手当日額には年齢に応じた上限があります

ポイントは残日数が45日未満でも「45日分」として計算されること。残りがわずかでも、基本手当の18日分(45日×40%)は保障される仕組みです。逆に上限は90日分の40%=36日分となります。

なお、常用就職支度手当を受けた場合、就業促進定着手当は受けられません。就業促進定着手当は「再就職手当を受けた人」が対象のためです。

申請方法と必要書類

申請期限は就職日の翌日から1か月以内。提出先は住所地を管轄するハローワークです。

主な必要書類は、常用就職支度手当支給申請書(事業主の証明欄あり)と雇用保険受給資格者証。障害等により就職困難者に該当することを確認するため、障害者手帳などの提示を求められる場合もあります。申請後の調査を経て、振込までは1か月程度が目安です。

常用就職支度手当|よくある質問(FAQ)

45歳以上なら誰でも常用就職支度手当をもらえますか?

年齢だけでは受給できません。就職日において45歳以上であることに加えて、支給残日数が所定給付日数の3分の1未満であること、1年以上の雇用が見込まれる安定した職業に就くこと、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職であることなど、複数の要件を満たす必要があります。詳しい該当可否はハローワークで確認しましょう。

再就職手当と常用就職支度手当は両方もらえますか?

両方を受けることはできず、どちらか一方のみです。支給残日数が所定給付日数の3分の1以上なら再就職手当、3分の1未満で就職困難者に該当する場合は常用就職支度手当、と振り分けられます。金額は再就職手当(60%または70%)のほうが手厚いため、選択できるものではありません。

常用就職支度手当はいくらもらえますか?申請期限は?

「基本手当日額 × 日数 × 40%」で計算し、日数は支給残日数が90日以上なら90日、45日以上90日未満なら残日数、45日未満なら45日となります。最大で基本手当の36日分、最低でも18日分が保障される計算です。申請期限は就職日の翌日から1か月以内なので、早めに手続きしましょう。

まとめ

  • 常用就職支度手当は、45歳以上や障害のある方など「就職が困難な方」への一時金
  • 支給残日数が3分の1″未満”でも対象。再就職手当とはちょうど裏返しの関係
  • 金額は「基本手当日額 × 日数(90日・残日数・45日)× 40%」。最大36日分・最低18日分
  • ハローワーク等の紹介による就職が必須。申請期限は就職日の翌日から1か月以内

常用就職支度手当は、再就職手当の陰に隠れがちですが、「残日数が少ないから何ももらえない」と諦める前に確認したい制度です。「45歳以上または就職困難者」「残日数3分の1未満」「ハローワーク等の紹介」の3点を押さえておきましょう。該当するかどうかは、雇用保険受給資格者証を持って管轄のハローワークで確認するのが確実です。

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【出典】厚生労働省「常用就職支度手当について」/ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」/雇用保険法第56条の3/各都道府県労働局・ハローワーク

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