ぎゅうた競馬で当たったお金とか、ふるさと納税の返礼品にも税金がかかるって本当?



どちらも「一時所得」という所得の仲間なんです。でも安心してください。特別控除や会社員のルールのおかげで、実際は申告不要の人がほとんど。今日は“自分は申告が必要か”が一目でわかるように整理しましょう。
生命保険の満期保険金
ふるさと納税の返礼品
競馬の払戻金
——これらはすべて一時所得に含まれます。
でも、特別控除50万円や会社員の申告ルールのおかげで、実際には申告不要になる人がほとんどです。
この記事では、1級FP技能士が令和7・8年分のルールにもとづいて、一時所得の対象・計算・確定申告のラインを初心者向けにやさしく整理します。
所得10種類シリーズの一つとして、まずは「全体像」をつかむことを目的にしています。
一時所得は「総収入金額−支出金額−特別控除50万円」の2分の1が課税対象。会社員は一時所得の収入が90万円以下なら原則として確定申告は不要です。
一時所得とは?
8種類に当てはまらない「一時的な所得」



そもそも一時所得って、どういう所得なんですか?



ひとことで言うと「働いた対価でも、資産を売った利益でもない、たまたま入ってきた一時的なお金」です。所得税では所得を10種類に分けますが、そのうち他の8種類に当てはまらない一時的なものが一時所得になります。
国税庁は一時所得を「営利を目的とする継続的な行為から生じた所得以外で、労務や資産の譲渡の対価としての性質を持たない一時の所得」と定義しています。
たとえば退職金は労務の対価なので一時所得ではなく退職所得、というように区別されます。所得全体の地図は、こちらのまとめ記事も参考にしてください。


一時所得に当てはまる主なもの
- 生命保険の満期保険金・解約返戻金
(受取人=保険料負担者の場合) - 損害保険の満期返戻金
- ふるさと納税の返礼品
(経済的利益) - 競馬・競輪の払戻金
- 懸賞・福引きの賞金品
- 法人から贈与された金品
- 拾得物の報労金、遺族が受け取る未支給年金 など
一時所得にならない・非課税になるもの
宝くじやスポーツくじの当せん金は金額を問わず非課税、損害の補填として受け取る損害保険金も非課税です。また、不動産や株などの売却益は譲渡所得、年金形式で受け取る保険金は雑所得になります。


満期保険金・ふるさと納税の返礼品・競馬の払戻金などは一時所得。一方、宝くじと損害保険金は非課税、資産の売却は譲渡所得、年金形式の受取は雑所得と、出口によって扱いが変わるのが第一歩です。
宝くじや損害保険金がなぜ非課税になるのかは、こちらの記事でまとめています。


一時所得の計算方法は?
一時所得の金額は、次の式で計算します。ポイントは最高50万円の特別控除と、最後に2分の1をかけることの2つです。
総収入金額 −収入を得るための支出金額 −特別控除額(最高50万円)
→ このうち2分の1を総所得金額に算入
| ステップ | 内容 | 計算例 |
|---|---|---|
| 1 | 総収入金額 | 1,000万円 |
| 2 | −支出金額 | −800万円 |
| 3 | −特別控除(最高50万円) | −50万円=150万円 |
| 4 | ×1/2=課税対象 | 75万円 |


総収入から支出と50万円を引き、残った額を半分にした金額が課税対象です。差し引いた結果が0円以下なら、課税される一時所得はありません。
一時所得は給与所得などと合算する総合課税ですが、給与や事業の赤字とは損益通算できません。一方で、同じ年に複数の一時所得がある場合は、その中で利益と損失を相殺(内部通算)してから50万円を引きます。課税方式の違いはこちらの記事もどうぞ。


一時所得で確定申告が必要なのはいくらから?
会社員は「90万円」が目安
会社員(給与所得者)の場合、給与・退職所得以外の所得が年間20万円以下なら確定申告は原則不要、というルールがあります。
一時所得は「2分の1」が所得になるので、経費が0円なら収入が90万円以下であれば課税対象は20万円以下に収まり、申告不要が目安です。
「(90万円 −特別控除50万円)×1/2=20万円」という計算です。この90万円ラインは、2025年の基礎控除引き上げの影響を受けず据え置きなので覚えておくと便利です。
| 会社員のケース | 確定申告 |
|---|---|
| 一時所得の収入が90万円以下(経費0の場合) | 原則不要 |
| 一時所得の収入が90万円超 | 必要 |
| 医療費控除など別の申告をする | 一時所得も含めて申告 |
| 住民税 | 所得税が不要でも申告が必要な場合あり |


会社員は一時所得の収入が90万円以下なら原則申告不要。超えたら確定申告へ。医療費控除などで別途申告する場合は、20万円以下でも一時所得を含めて申告します。
「一時所得だけで他に収入がない人は146万円まで申告不要」と書く解説をよく見かけますが、これは旧・基礎控除48万円時代の数字です。基礎控除は令和7・8年分で大きく引き上げられているため、現在はこの目安額が以前より広がっています。会社員の方は、まず上の90万円ラインで判断すれば十分です。
住民税は別に申告が必要なことがある



所得税の申告がいらなくても、住民税はまた別?



そこは要注意ポイントです。所得税の「20万円ルール」は住民税には適用されません。所得税の確定申告をしない場合でも、一時所得があるときはお住まいの市区町村への住民税申告が必要になることがあります。
一時所得と雑所得の違いは?
一時所得とまぎらわしいのが雑所得です。両者は「営利を目的とした継続的な行為かどうか」で分かれ、計算方法も異なります。代表的な違いを表にまとめました。
| 項目 | 一時所得 | 雑所得 |
|---|---|---|
| 性質 | 営利目的でない一時的な所得 | 他の9種類に当てはまらない所得 |
| 主な例 | 満期保険金、ふるさと納税返礼品、競馬の払戻金 | 公的年金、副業の収入、年金形式の保険金 |
| 特別控除 | 最高50万円あり | なし |
| 2分の1課税 | あり | なし |
たとえば同じ生命保険でも、満期保険金を一括で受け取れば一時所得、年金形式で毎年受け取れば雑所得になります。特別控除50万円と2分の1がある一時所得のほうが、税負担は軽くなりやすいのが特徴です。
まとめ:一時所得は「50万円控除」と「2分の1」がカギ
- 一時所得は、働いた対価でも資産売却でもない「一時的な所得」
- 満期保険金・ふるさと納税返礼品・競馬の払戻金などが該当
- 計算は「総収入−支出−特別控除50万円」、その2分の1が課税対象
- 会社員は収入90万円以下なら原則申告不要(住民税は別途確認)
- 宝くじ・損害保険金は非課税、年金形式の受取は雑所得



返礼品も保険金も「一時所得」だけど、控除のおかげで会社員は意外と申告いらずなんですね。スッキリしました!
所得の種類ごとに税金の扱いは大きく変わります。10種類の全体像は親記事で確認できるので、ほかの所得もあわせてチェックしてみてください。


よくある質問(一時所得FAQ)
- 一時所得はいくらから確定申告が必要ですか?
-
会社員の場合、経費を引いた一時所得の収入が90万円以下なら課税対象は20万円以下に収まり、原則として確定申告は不要です。90万円を超える場合や、ほかに申告が必要な所得がある場合は申告が必要になります。
- ふるさと納税の返礼品も一時所得になりますか?
-
はい。返礼品は経済的利益として一時所得に含まれます。ただし特別控除50万円があるため、ほかの一時所得と合わせて年間50万円を超えなければ課税されないのが一般的です。
- 宝くじの当せん金に税金はかかりますか?
-
かかりません。宝くじやスポーツくじ(toto・BIG)の当せん金は法律で非課税と定められており、金額にかかわらず確定申告も不要です。
【出典】
・国税庁「No.1490 一時所得」
・国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
・金融広報中央委員会「知るぽると」
・FP1級学習教材(一時所得の範囲・計算・課税方法)
※本記事は令和7・8年分時点の情報に基づきます。税制は改正される場合があるため、判断に迷う場合は最新の国税庁情報や税理士・税務署にご確認ください。









