ぎゅうた譲渡所得って「家を売った人の税金」ですよね?メルカリで服を売ったくらいだから関係ない…ですよね?



実は譲渡所得は不動産だけじゃないんです。株・金・車・ブランド品まで対象になることも。でも安心してください。生活用品の売却は原則“非課税”。今日は全体像をスッキリ整理しましょう。
「譲渡所得」と聞くと、土地や家を売ったときの税金をイメージする人がほとんどです。でも税金の世界では、株式・金地金・ゴルフ会員権・車なども譲渡所得の対象になります。
この記事では、1級FP技能士が令和7・8年分のルールにもとづいて、譲渡所得の対象資産・課税方法・非課税ラインを初心者向けにやさしく整理します。所得10種類シリーズの一つとして、まずは「全体像」をつかむことを目的にしています。
譲渡所得=資産を売って得た利益。不動産・株・金などが対象で、計算は「収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除」。生活用品の売却は原則非課税なので、メルカリの断捨離で税金がかかることはほとんどありません。
譲渡所得とは?
対象になる資産・ならない資産
譲渡所得とは、土地・建物などの資産を譲渡(売却)して得た利益のことです。ポイントは、対象が不動産に限られないこと。次のような資産の売却益が譲渡所得になります。
- 土地・建物などの不動産
- 株式・投資信託・公社債などの有価証券
- 金地金(きんじがね)・ゴルフ会員権・書画骨董など
- 1個1組30万円を超える貴金属・宝石・ブランド品など
お店の商品(棚卸資産)の売却は事業所得、山林の伐採・譲渡は山林所得になります。また、メルカリなどで継続的・反復的に転売している場合は、譲渡所得ではなく事業所得や雑所得として扱われます。


譲渡所得になるのは不動産・株・金・ゴルフ会員権・高額品など。一方、お店の商品(事業所得)・山林(山林所得)・継続的な転売(事業/雑所得)・生活用品(非課税)は譲渡所得になりません。「何を売ったか」で所得の種類が変わるのが第一歩です。
譲渡所得は3つに分かれる?課税方法の全体マップ



対象が広いのはわかったけど、税金の計算は全部同じなの?不動産と株が同じとは思えないんだが…。
鋭いです。譲渡所得は資産の種類によって課税方法が3つに分かれます。ここが他の所得にはない、譲渡所得の最大の特徴です。
| 資産の区分 | 課税方法 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 土地・建物等 | 分離課税 | マイホーム・土地 |
| 株式・公社債等 | 分離課税 | 上場株式・投資信託 |
| その他の資産 | 総合課税 | 金地金・ゴルフ会員権・書画骨董 |


土地・建物と株式は分離課税(他の所得と分けて計算)、金やゴルフ会員権など「その他の資産」は総合課税(給与などと合算)です。同じ譲渡所得でも、計算の土台がまったく違う点に注意しましょう。
「総合課税」と「分離課税」の違いそのものは、次の記事でくわしく解説しています。あわせて読むと理解が一気に深まります。


譲渡所得の税金はどう計算する?
課税方法は分かれますが、譲渡所得の基本の計算式は共通です。売った金額から、買ったときの費用と売るときの費用を引いて求めます。
収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額
- 取得費…買ったときの代金+購入時の手数料など。不明な場合は収入金額の5%を概算取得費にできます
- 譲渡費用…売るために直接かかった費用(仲介手数料・印紙税・取り壊し費用など)
短期と長期で税率はどう違う?
土地・建物等の譲渡では、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わります。判定は「売った年の1月1日時点」で行う点が要注意です。


| 区分 | 所有期間 | 税率(合計) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
短期は39.63%、長期は20.315%と約2倍の差。たとえば令和8年中の譲渡なら、令和2年12月31日以前に取得した不動産が長期になります。売却の「あと数日」で税額が変わることもあるため、取得日の確認が大切です。
株式の譲渡益は税率20.315%の分離課税で、特定口座(源泉徴収あり)なら原則申告不要。一方、金やゴルフ会員権は総合課税で給与と合算されます。「同じ売却益でも税金の通り道が違う」と知っておくだけで、確定申告の要否を見誤らずに済みます。
税金がかからない譲渡もある?(非課税・特別控除)
譲渡所得には、税金がかからない・軽くなる仕組みもあります。代表的なのが次の2つです。
- ①生活用動産の非課税…家具・衣服・通勤用の自動車など、生活に通常必要な動産の売却は非課税
- ②総合課税の特別控除…金やゴルフ会員権などの譲渡には最高50万円の特別控除。長期分はさらに2分の1だけを合算
メルカリで古着や不用品を売っても税金がかからないのは、これが「生活用動産」にあたるためです。ただし、1個1組30万円を超える貴金属・宝石・書画骨董は例外で課税対象になります。非課税になる所得の全体像は、こちらの記事でまとめています。


まとめ:譲渡所得は「何を売ったか」で決まる
- 譲渡所得=資産を売って得た利益。不動産だけでなく株・金・ゴルフ会員権なども対象
- 資産の種類で課税方法が3つに分かれる(土地建物・株式は分離課税、その他は総合課税)
- 計算は「収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除」。取得費不明なら収入の5%
- 土地建物は短期39.63%・長期20.315%。所有期間は「1月1日時点」で判定
- 生活用品の売却は原則非課税。メルカリの断捨離で税金がかかることはほぼない
譲渡所得は「何を売ったか」で扱いが大きく変わる、少しクセのある所得です。まずは全体像をつかんでおけば、いざ売却するときに慌てずに済みます。所得の全体像(10種類)は、こちらのまとめ記事で確認できます。


よくある質問(譲渡所得FAQ)
- メルカリで不用品を売ったら税金はかかりますか?
-
家具・衣服などの生活用品(生活用動産)の売却は原則非課税で、確定申告も不要です。ただし、1個1組30万円を超える貴金属・宝石・書画骨董の売却益や、継続的・反復的に行う転売(事業所得・雑所得に該当)は課税対象になることがあります。
- 株を売って利益が出たら譲渡所得ですか?確定申告は必要?
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はい、上場株式の売却益は「株式等に係る譲渡所得」で、税率20.315%の分離課税です。証券会社の「特定口座(源泉徴収あり)」を使っていれば、売却時に税金が天引きされるため、原則として確定申告は不要です。
- 取得費(買ったときの金額)が分からない場合はどうなりますか?
-
取得費が不明な場合は、「概算取得費」として収入金額の5%を取得費にできます。たとえば1,000万円で売れた不動産の取得費が不明なら、50万円を取得費として計算します。実際の取得費が5%より高い場合はそちらを使えるので、購入時の契約書はできるだけ保管しておきましょう。
【出典】
・国税庁「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
・国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
・国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
・FP1級学習教材(譲渡所得の範囲・区分・課税方法)
※本記事は令和7・8年分時点の情報に基づきます。特例の適用可否は個別事情で変わるため、判断に迷う場合は税理士・税務署にご確認ください。









