所得税とは?計算の流れをわかりやすく解説

いよいよ所得税の計算です。

ここまでの流れと今回の内容を理解できれば、
所得税の仕組みはほぼ完璧に理解できます。

この記事のポイント

所得税は「①所得 → ②所得控除 → ③税率 → ④税額控除」の4ステップで決まります。この流れさえ押さえれば、給与明細の税額も自分で説明できるようになります。

所得税の流れを図にしました。

所得税の計算の流れを示した図解(年収から所得・所得控除・税率・税額控除を経て所得税が決まるまでの4ステップ)
上の図のポイント

所得税は「年収→所得→課税所得→税額→所得税」と段階的に計算します。会社員は年収から給与所得控除を引いて所得を求め、そこから各種控除を引いて課税所得を出すのが出発点です。

もし、ここまでの流れを確認したい方は
よかったら下記リンクよりご覧下さい。

あわせて読みたい
所得とは?会社員・個人事業主が知っておくべき税金の基本 「年収が高いほど税金が高くなる」このように考えている方は多いのではないでしょうか。 しかし実際には、税金は年収そのものにかかるわけではありません。 税金は「所...
あわせて読みたい
所得控除とは?種類と仕組みをわかりやすく解説 「年収が同じなのに、なぜか手取りが違う…」そんな経験はありませんか? その差を生む大きな要因が「所得控除」です。所得控除を理解しているかどうかで、同じ収入でも...
あわせて読みたい
課税所得と税率の仕組みとは?計算方法と具体例をわかりやすく解説 「年収が上がったら、全部に高い税率がかかるんでしょ?」 この誤解をしている方、実はとても多いです。結論から言うと、それは間違いです。 日本の所得税は「累進課税...
あわせて読みたい
税額控除とは?種類と仕組みをわかりやすく解説 所得税の計算において、最後に税額を大きく減らせる仕組みがあります。 それが「税額控除」です。 所得控除が「課税所得を減らす」ものだったのに対し、税額控除は「計...
目次

所得税とは?

所得税とは、
個人の所得に対して課される税金です。

会社員であれば、給与から天引きされます。
自営業であれば、確定申告によって納めます。

1年間の所得に対して課税される
所得が多いほど税率が上がる
(累進課税)

所得税までの流れをおさらい

STEP
年収 → 所得

会社員の場合
年収 − 給与所得控除 = 所得(給与所得)

個人事業主の場合
売上 − 必要経費 = 所得(事業所得)

あわせて読みたい
所得とは?会社員・個人事業主が知っておくべき税金の基本 「年収が高いほど税金が高くなる」このように考えている方は多いのではないでしょうか。 しかし実際には、税金は年収そのものにかかるわけではありません。 税金は「所...
STEP
所得控除

所得から控除を引くことで、課税対象を減らします。

所得控除:
・基礎控除
・社会保険料控除
・配偶者控除 など

所得 −所得控除=課税所得

あわせて読みたい
所得控除とは?種類と仕組みをわかりやすく解説 「年収が同じなのに、なぜか手取りが違う…」そんな経験はありませんか? その差を生む大きな要因が「所得控除」です。所得控除を理解しているかどうかで、同じ収入でも...
STEP
課税所得 × 税率

課税所得に応じて税率をかけて税額を計算します。

所得が高いほど税率も上がる仕組み(累進課税)

課税所得×税率=税額

あわせて読みたい
課税所得と税率の仕組みとは?計算方法と具体例をわかりやすく解説 「年収が上がったら、全部に高い税率がかかるんでしょ?」 この誤解をしている方、実はとても多いです。結論から言うと、それは間違いです。 日本の所得税は「累進課税...
STEP
税額控除

最後に税額控除を差し引きます。

税金を直接減らすことができる重要なポイントです。

税額 − 税額控除=所得税

あわせて読みたい
税額控除とは?種類と仕組みをわかりやすく解説 所得税の計算において、最後に税額を大きく減らせる仕組みがあります。 それが「税額控除」です。 所得控除が「課税所得を減らす」ものだったのに対し、税額控除は「計...

このSTEPにより所得税を計算できます。

所得税は具体的にいくらになる?

所得税の税率は、課税所得に応じて5%〜45%の7段階に区分されています(出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」)。

日本の所得税は超過累進課税です。これは、課税所得が一定額を超えた部分にだけ高い税率がかかる仕組みのこと。たとえば課税所得195万円以下の部分は5%、195万円超〜330万円以下の部分は10%、というように段階的に上がっていきます。

課税所得の金額帯ごとに所得税率が5%から45%へ上がる超過累進課税のイメージ図
上の図のポイント

課税所得が増えても、超えた部分にだけ高い税率がかかる「超過累進課税」です。年収全体に高い税率が一気にかかるわけではないので、昇給で手取りが逆転することはありません。

ぎゅうた

税率って、自分がどの帯に入るかで変わるってことね。思ったよりシンプルだね。

所得税はいつ払う?

会社員の場合

・毎月の給与から天引き(源泉徴収)
・年末調整で過不足を調整

基本的には会社が手続きをしてくれるので、自分で納付する必要はありません。

個人事業主・副業の場合

・確定申告で税額を確定
・翌年の3月15日までに納付

副業をしている会社員の方は「所得20万円以下なら申告不要」と思いがちですが、
実は落とし穴があるので注意が必要です。

あわせて読みたい
確定申告しないと損?副業20万円以下でも”損するパターン”を実体験で解説 「副業が20万円以下なら申告しなくていい」そう聞いたことはありませんか? 所得税に関しては、たしかに一部正しいです。しかし、この認識のまま何もしないでいると…知...

所得税と社会保険料はどう違う?

ここで、会社員の方に特に知っておいてほしい話があります。

会社員として働いていて、私自身も「気づいたら手取りが変わっていた」経験が何度もありました。

所得税は累進課税なので、昇給や賞与、残業代によって税率の帯が切り替わるタイミングがあります。

ところが給与明細を細かくチェックする人は少なく、多くの方は知らないうちに税額が増えているのが実情です。

① 所得税:昇給・賞与で税率の帯が切り替わると増える(累進課税)
② 社会保険料:4〜6月の給与で決まる「標準報酬月額」によって変動する

社会保険料の仕組みは、手取りを左右する大きな要素です。健康保険や年金など公的保険の全体像は、こちらの記事一覧から確認できます。

みる

「4〜6月の残業は避けろ」という通説は②の話で、中身まで正しく理解している人は意外と少ないので、別記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
「4〜6月に残業するな」は本当?ウソ? この記事の結論 「4〜6月の残業で税金が上がる」は誤解。正しくは「給与平均が上がると9月から1年間の社会保険料が増える可能性がある」。ただし将来の年金や手当も増え...

会社員と個人事業主では何が違う?

所得税の計算の流れは、会社員も個人事業主も基本は同じですが、最初の「所得の出し方」だけが異なります

会社員と個人事業主の所得税の計算フローを左右で比較した図解(最初の所得の出し方だけが異なり、以降は共通)
上の図のポイント

会社員と個人事業主の違いは、最初の「所得の出し方」だけです。会社員は年収から給与所得控除を、個人事業主は売上から必要経費を引いて所得を求めます。それ以降の「所得控除→税率→税額控除」の流れは両者とも同じです。

まとめ

ここまで所得税について、4つのSTEPに分けて全体像を解説してきました。

所得税は一見複雑に見えますが、
「所得→所得控除→税率→税額控除」
の流れさえ押さえれば、仕組みはほぼ理解できます。

今後は別記事で「所得を減らす=節税の方法」についても詳しく解説していきます。

みる

私自身、もともと税金の知識はゼロでした。でも学びを深めるうちに、周りから相談される機会が増えて、感謝されるように。お金の知識は、一生モノの武器になりますよ。

所得税を理解できたら、次は住民税の仕組みも押さえておくと、税金の全体像が見えてきます。あわせて、税金に関する記事はこちらの一覧からもご覧いただけます。

あわせて読みたい
住民税とは?初心者向けに仕組みをわかりやすく解説 「給料はそんなに変わっていないのに、なぜか税金が高い…」そう感じたことはありませんか? その原因のひとつが、住民税です。 住民税は、会社員でも副業をしている人で...

所得税に関するよくある質問

所得税はいつ・どうやって払うの?

会社員は毎月の給与から源泉徴収され、年末調整で過不足が精算されます。個人事業主や副業の方は、確定申告で税額を確定し、翌年の3月15日までに納付します。会社員は基本的に自分で納付手続きをする必要はありません。

昇給すると手取りが減ることはある?

所得税は「超過累進課税」なので、増えた部分にだけ高い税率がかかります。年収全体に一気に高い税率がかかるわけではないため、昇給によって税率の壁で手取りが逆転することは基本的にありません。

副業の所得が20万円以下なら申告しなくていい?

所得税の確定申告は不要になるケースがありますが、住民税の申告は別途必要です。「20万円以下=申告不要」と思い込むと落とし穴になることがあるので、詳しくは関連記事で確認しておくと安心です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次