ぎゅうた「育休中って給料が出ないんだよね…。育児休業給付金がもらえるって聞いたけど、いくらで、いつまでもらえるの?”手取り10割”って話も見たけど本当?」



「本当です。基本は賃金の67%(180日経過後は50%)ですが、夫婦で育休を取ると上乗せの給付があり、最大28日間は手取り10割相当になります。条件があるので順に見ていきましょう」
育児休業給付金は、育児休業中の収入を支える雇用保険の給付です。
この記事では1級FP技能士の視点で、支給の条件・金額の計算方法・いつまでもらえるか、そして「手取り10割」といわれる上乗せ給付の条件までやさしく解説します。産休も含めた全体像は下の記事をご覧ください。


育児休業給付金は、1歳未満の子(一定の場合は1歳6か月・2歳)を養育するための休業について、休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(180日経過後は50%)が支給されます。受給には休業開始日前2年間に被保険者期間が12か月以上必要。原則2回まで分割取得でき、夫婦がともに育休を取ると出生後休業支援給付金(13%)が上乗せされ、最大28日間は給付率80%=手取り10割相当になります。
育児休業給付金とは?
支給条件と対象期間
育児休業給付金は、被保険者が1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に支給されます。保育所等に入所できないなどの事情があれば1歳6か月、さらに必要な場合は2歳まで延長可能です。
①雇用保険の被保険者が、1歳未満の子を養育するために育児休業を取得したこと
②休業開始日前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あること
③支給単位期間ごとに、就業日数が10日以下(または就業時間80時間以下)であること
④休業期間中に事業主から支払われる賃金が、休業前賃金の80%未満であること
※被保険者期間は、賃金支払基礎日数11日以上(または就業時間80時間以上)の月を1か月と数えます。
※雇用保険に加入していればパート・有期雇用でも対象。個人事業主・フリーランスは対象外です。
取得のしかたも柔軟になりました。2022年10月から育児休業を分割して取得できるようになり、原則2回までの分割について給付金が支給されます。
また、父母がともに育児休業を取得する「パパ・ママ育休プラス」を使えば、一定の要件のもと子が1歳2か月に達する日の前日まで対象が延びます。


いくらもらえる?
67%と50%の計算方法
金額は次の式で計算します。180日を境に給付率が下がるのが最大のポイントです。
育児休業給付金 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(180日経過後は50%)
※休業開始時賃金日額=休業開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180
※賃金日額には上限額があり、毎年8月1日に改定されます。
たとえば休業前の月給30万円(賃金日額10,000円)の人が30日間休業した場合、開始から180日までは10,000円×30日×67%=月20万1,000円、181日目以降は50%で月15万円です。
なお給付金は非課税で育休中は社会保険料も免除されるため、額面67%でも手取りベースでは約8割が確保されます。免除のしくみは下の記事で解説しています。





「67%でも手取りだと8割になるんだ!社会保険料が免除されるのが大きいんだね」
手取り10割になる条件|出生後休業支援給付金
育児休業等給付には、育児休業給付金に上乗せされる出生後休業支援給付金があります。子の出生後の一定期間に夫婦がともに14日以上の育児休業を取得すると、育児休業給付金(67%)に13%が上乗せ。
合計で給付率80%となり、非課税かつ社会保険料も免除されるため、実質的に休業前の手取りと同水準(手取り10割相当)になります。
| 給付 | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 育児休業給付金 | 賃金日額の67%(180日経過後50%) | 原則1歳まで(最長2歳) |
| 出生後休業支援給付金 | 賃金日額の13%を上乗せ →合計80%=手取り10割相当 | 最大28日間 |
| 育児時短就業給付金 | 時短勤務中の賃金の最大10% | 2歳未満の子を養育中 |
※出生後休業支援給付金は、母は産後16週以内・父は出生後8週以内の育休取得が要件
手取り10割になるのは夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合の最大28日間だけです。全期間ではありません。また出生後休業支援給付金は単独では受けられず、育児休業給付金等への上乗せという位置づけ(令和7年4月1日創設)。ひとり親など配偶者が育休を取得できない事情がある場合は、配偶者の育休なしでも対象となる例外があります。取得時期の設計次第で受給額が変わるため、早めに夫婦で計画を立てましょう。


申請方法といつもらえるか
申請は原則として会社を経由してハローワークへ。支給は2か月ごとにまとめて行われ、初回の入金は育休開始から2〜3か月後が一般的です。育休に入ってすぐお金が入るわけではないので、最低でも2〜3か月分の生活費を用意しておくと安心。延長する場合は、保育所の入所不承諾通知書など延長事由を証明する書類が必要です。
育児休業給付金|よくある質問(FAQ)
- 育児休業給付金はいつまでもらえますか?
-
原則として子が1歳になるまでです。保育所等に入所できないなどの事情がある場合は1歳6か月まで、さらに必要な場合は2歳まで延長できます。また父母がともに育児休業を取得する「パパ・ママ育休プラス」を利用すると、一定の要件のもとで子が1歳2か月に達する日の前日まで対象となります。
- 「育休の手取り10割」は誰でも対象になりますか?
-
誰でもではありません。出生後休業支援給付金により、子の出生後の一定期間に夫婦ともに14日以上の育児休業を取得した場合に13%が上乗せされ、育児休業給付金と合わせて給付率80%となります。給付金は非課税で社会保険料も免除されるため手取り10割相当になりますが、対象は最大28日間です。
- 育児休業給付金はいつ振り込まれますか?分割取得はできますか?
-
支給は2か月ごとにまとめて行われ、初回の入金は育休開始から2〜3か月後が目安です。すぐには振り込まれないため、生活費の備えが必要になります。取得については2022年10月から分割が可能になり、原則2回までの分割した育児休業について給付金が支給されます。
まとめ
- 育児休業給付金は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」。180日経過後は50%
- 原則1歳まで。保育所に入れないなどの場合は1歳6か月、さらに2歳まで延長できる
- 原則2回まで分割取得可。パパ・ママ育休プラスなら1歳2か月に達する日の前日まで
- 出生後休業支援給付金(13%)の上乗せで、夫婦で取得すれば最大28日間は手取り10割相当に
育児休業給付金は、安心して育児に向き合うための土台になる制度です。「67%と50%の境目は180日」「延長は1歳6か月・2歳」「夫婦で取れば最大28日間は手取り10割」の3点を押さえておけば、育休の設計がしやすくなります。産休中の給付とあわせて、早めに全体像をつかんでおきましょう。
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【出典】厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」「出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の創設について(令和7年4月1日)」/雇用保険法第61条の7・第61条の10/育児・介護休業法/各都道府県労働局・ハローワーク









