「障害年金は高齢者だけの制度」と思っていませんか。実は障害年金は、病気やケガで生活や仕事に支障が出たときに、現役世代でも受け取れる公的保障です。
なかでも自営業の方や、会社員に扶養されている方など、国民年金だけに加入している人の支えになるのが「障害基礎年金」。
この記事では、2026年度(令和8年度)の最新額と受給要件、FPがよく聞かれる疑問まで、わかりやすく整理します。
障害基礎年金は1級・2級の2段階。2026年度(令和8年度)は2級が年額847,300円、1級はその1.25倍で、子がいれば加算されます。
さやか障害年金って、定年後にもらう年金とは別物なんですか?



そう、まったく別物だよ。現役のうちにケガや病気で障害が残ったときの保障なんだ。まずは年金全体の中での位置づけから見ていこう。
障害基礎年金とは?公的年金の「3つの保障」の一つ
公的年金というと老後の「老齢年金」をイメージしがちですが、年金にはもう2つの顔があります。
働き手が亡くなったときの「遺族年金」、そして病気やケガで障害が残ったときの「障害年金」です。
障害年金はさらに、国民年金から出る障害基礎年金と、厚生年金から出る障害厚生年金に分かれます。


公的年金には「老齢・障害・遺族」の3つの保障があり、障害基礎年金はその一つ。現役世代も対象で、国民年金から支給されます。
障害厚生年金とは何が違う?
ざっくり言うと、自営業・フリーランス・専業主婦(夫)などは障害基礎年金のみ、会社員・公務員は障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。
会社員のほうが手厚いのはこのためです。
障害厚生年金のしくみは別記事で詳しく解説する予定なので、ここでは「会社員には2階部分の上乗せがある」とだけ押さえておきましょう。


障害年金を「老齢年金とは別の財布」と捉えるのがFPの基本です。老後の備えばかり気にして現役期の障害リスクを見落とす人は少なくありません。まず公的保障でどこまでカバーされるかを知ることが、民間保険を考える出発点になります。
障害基礎年金はいくら?【2026年度・令和8年度の最新額】
1級・2級の金額は?
障害基礎年金は、等級ごとに金額が決まった「定額」です。
2026年度(令和8年度)は前年度から1.9%引き上げられました(2026年1月23日厚生労働省発表、4月分から適用)。


2026年度の障害基礎年金は2級が847,300円、1級はその1.25倍。子がいれば人数に応じて加算が上乗せされます。
| 障害等級 | 年額 | 月額換算 |
|---|---|---|
| 2級 | 847,300円 | 約70,608円 |
| 1級(2級の1.25倍) | 1,059,125円 | 約88,260円 |
子の加算はいくら?
18歳到達年度末までの子(障害のある子は20歳未満)がいる場合、加算がつきます。
2026年度は第1子・第2子が各243,800円、第3子以降が各81,300円です。たとえば2級+子2人なら、847,300円+243,800円×2で約133万円になります。
ポイントは「障害基礎年金は配偶者では増えないが、子では増える」こと。子の人数が家計の支えに直結します。年金額は毎年改定されるため、必ず最新年度の数字で確認しましょう。
障害基礎年金の受給要件は?満たすべき3つの条件


受給には「①初診日の要件」「②障害認定日に1級・2級」「③保険料納付要件」の3つをすべて満たす必要があります。
①初診日の要件
障害の原因となった病気・ケガで初めて医師の診察を受けた日(初診日)に、国民年金の被保険者であること等が必要です。
20歳前や、日本国内に住む60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間も対象になります。
②障害認定日に1級・2級に該当
初診日から1年6か月を経過した日(またはその期間内に症状が固定した日)に、障害の程度が1級または2級に該当していることが必要です。この日を「障害認定日」といいます。
③保険料納付要件
初診日の前々月までに、保険料納付済期間と免除期間を合わせた期間が加入期間の3分の2以上あること(原則)。
これを満たさない場合でも、直近1年間に未納がなければよいという特例があります(2026年4月1日前に初診日がある場合など、一定の条件あり)。



保険料を払ってないと、いざというときにもらえないってこと?



その通り。普段の納付が、そのまま”いざ”のときの保険になるんだ。ねんきん定期便で自分の納付状況を確認しておこう。
3つのうち見落とされがちなのが保険料納付要件です。未納を放置すると、障害状態になっても受け取れないことがあります。収入が苦しいときは未納にせず、免除・猶予制度を使って「未納にしない」のが鉄則です。
なぜ3級がない?所得制限はある?
3級・障害手当金がない理由
障害厚生年金には3級や障害手当金(一時金)がありますが、障害基礎年金にはありません。
障害基礎年金は重度(1級・2級)に絞った最低限の保障という位置づけだからです。軽い障害まで段階的にカバーするのは、上乗せである障害厚生年金の役割になっています。
20歳前の傷病は所得制限がある
20歳前に初診日がある場合、本人が保険料を納めていなくても障害基礎年金を受け取れます。そのかわり、本人の前年の所得が一定以上だと、その全部または2分の1が支給停止になります。
生まれつきの障害などで受給する場合に関わる仕組みです。
「会社員は障害厚生年金で3級まで・比較的軽い障害もカバーされるが、自営業者は2級までしか保障がない」——この差を知っておくことが、就業不能への備えを考える分かれ目になります。
まとめ:障害基礎年金のポイント
- 障害基礎年金は、老齢・遺族と並ぶ公的年金の保障の一つ
- 2026年度は2級847,300円、1級1,059,125円(2級の1.25倍)
- 子がいれば加算(第1・2子 各243,800円、第3子以降 各81,300円)
- 受給要件は「初診日」「障害認定日に1・2級」「保険料納付」の3つ
- 障害基礎年金に3級はなく、20歳前傷病には所得制限がある
よくある質問(FAQ)
- 障害基礎年金は何歳からもらえますか?
-
原則20歳からです。20歳前に初診日がある場合は20歳から、それ以外は受給要件を満たせば現役世代でも受け取れます。老齢年金のように65歳を待つ必要はありません。
- 障害基礎年金に税金はかかりますか?
-
かかりません。障害年金は非課税で、確定申告も原則不要です。課税対象となる老齢年金とは扱いが異なります。
- 働きながらでも障害基礎年金はもらえますか?
-
もらえます。障害基礎年金は所得による支給停止が原則ありません(20歳前の傷病による場合を除く)。ただし、就労状況は障害等級の判定に影響することがあります。
障害年金は、老齢年金・遺族年金とあわせて理解することで、自分に本当に必要な備えが見えてきます。年金カテゴリのほかの記事もあわせてどうぞ。
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「障害年金ガイド」「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」
- ※本記事は2026年(令和8年度)時点の情報です。年金額は毎年改定されます。








