さやか「子どもや親を扶養に入れると税金が安くなるって聞きますけど、誰を・いくらまで入れられるのか、よくわからなくて…」



「扶養控除は”年齢”で金額が変わるのがポイントです。16歳未満は対象外、大学生世代がいちばん大きい。令和7年の改正点もあわせて、まず全体像を図で押さえましょう」
扶養控除は、子どもや親などの家族を養っている会社員の手取りに直結する控除です。ただ、年齢によって金額が変わり、令和7年の改正で条件も一部変わったため、混乱しやすい制度でもあります。
この記事では、1級FP技能士の視点で「対象になる人」「年齢別の控除額」を、初心者向けにやさしく図解します。
扶養控除は「生計を一にする16歳以上・合計所得58万円以下(給与収入123万円以下)」の親族が対象。控除額は年齢で38万〜63万円です。令和7年改正で所得ラインが48万→58万円に広がり、大学生世代は年収150万円まで満額63万円を保てるようになりました。
扶養控除とは?対象になる人の3条件
扶養控除は、次の3つをすべて満たす親族がいる場合に受けられます。
・その年の12月31日時点で16歳以上
・納税者本人と生計を一にしている
(別居でも仕送りがあればOK)
・親族の合計所得が58万円以下
(給与収入なら123万円以下)
ポイントは16歳未満は扶養控除の対象外という点。0〜15歳は児童手当でカバーされるため、税の控除からは外れています。


0〜15歳は児童手当の対象で扶養控除は使えません。16歳から対象になり、19〜22歳の大学生世代がもっとも控除額が大きく63万円。70歳以上の親などは老人扶養親族として48〜58万円になります。



「うちの子はまだ中学生だから対象外か。高校生になったら控除が使えるようになるんだな」
▼ そもそも所得控除全体を知りたい方はこちら


扶養控除はいくら?年齢別の控除額早見表
控除額は扶養する親族の年齢で決まります。早見表で確認しましょう。


| 区分 | 年齢 (12月31日時点) | 控除額 |
|---|---|---|
| 対象外 | 16歳未満 | なし (児童手当) |
| 一般の控除対象扶養親族 | 16歳以上19歳未満 23歳以上70歳未満 | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満 | 63万円 |
| 老人扶養親族 (同居老親等) | 70歳以上・同居 | 58万円 |
| 老人扶養親族 (同居以外) | 70歳以上・別居など | 48万円 |
控除額がもっとも大きいのは19〜22歳の特定扶養親族で63万円。大学や専門学校でお金がかかる時期に配慮された金額です。70歳以上の親を同居で扶養する場合は58万円、別居なら48万円になります。
令和7年改正で変わったのは、扶養親族の所得ライン(48万→58万円、給与103万→123万円)であって、控除額そのものは変わっていません。基礎控除の引き上げに連動した調整です。なお、配偶者控除と違い扶養控除には本人(扶養する側)の所得制限がないのも特徴です(国税庁「No.1180 扶養控除」参照)。
▼ 配偶者控除との違いを知りたい方はこちら
大学生の子がいる家庭は?特定親族特別控除(令和7年新設)
令和7年の改正で、大学生世代の子を持つ家庭にうれしい制度が新しくできました。特定親族特別控除です。
これまでは、19〜22歳の子の給与が123万円を超えると、親の特定扶養控除63万円がゼロになっていました。改正後は、子の年収が増えても段階的に控除が残るようになっています。
| 子の年収(給与) | 親が受けられる控除 |
|---|---|
| 123万円以下 | 特定扶養控除 63万円 |
| 123万円超 150万円以下 | 特定親族特別控除 63万円(満額) |
| 150万円超 188万円以下 | 特定親族特別控除 3〜61万円(段階減少) |
| 188万円超 | なし |
大学生世代の子の年収が150万円までなら、親は満額63万円の控除を保てます。150万円を超えても188万円までは控除が段階的に残るため、子がアルバイトで稼いでも急に親の税負担が増えない設計です。適用には年末調整で「特定親族特別控除申告書」の提出が必要です。



「私自身、扶養対象者の所得が条件を超えていたのに気づかず、あとから納税を求められた経験があります。扶養は”入れて終わり”ではなく、毎年の所得確認が大切ですよ」
▼ 住民税の仕組みもあわせて確認したい方はこちら


扶養控除のよくある質問(FAQ)
- 16歳未満の子どもは扶養控除の対象になりますか?
-
なりません。0〜15歳は児童手当の対象となるため、税金の扶養控除からは外れています。扶養控除の対象になるのは、その年の12月31日時点で16歳以上の親族です。
- 別居している親も扶養控除の対象にできますか?
-
できます。同居していなくても、生活費や療養費の仕送りなどで「生計を一にして」いれば対象です。親の合計所得が58万円以下(公的年金なども含む)であることが条件です。70歳以上の親を別居で扶養する場合の控除額は48万円です。
- 大学生の子がアルバイトで123万円を超えたら控除はなくなりますか?
-
すぐにゼロにはなりません。令和7年に新設された特定親族特別控除により、子の年収150万円までは満額63万円、188万円までは段階的に控除が残ります。ただし年末調整で申告書の提出が必要です。
まとめ
- 対象は「16歳以上・生計を一にする・合計所得58万円以下」の親族。16歳未満は対象外
- 控除額は年齢で決まる。19〜22歳の特定扶養親族が63万円で最大
- 令和7年新設の特定親族特別控除で、大学生世代は年収150万円まで満額63万円
扶養控除は、家族構成が変わると使える金額も変わります。控除を引いたあと実際にどう税額が決まるのかも、あわせて確認しておくと安心です。
▼ 課税所得と税率の仕組みはこちら


▼ 税金カテゴリの全体像を知りたい方はこちら
【出典】国税庁「No.1180 扶養控除」/「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」/財務省「令和7年度税制改正の大綱」









