ぎゅうた「仕事中のケガで労災が使えるのはわかったけど…実際どうやって申請するの?書類とか難しそうだし、自分でやらなきゃダメなのかな?」



「大丈夫、流れをつかめばシンプルです。基本は『病院で受診→給付ごとの請求書を労働基準監督署へ提出』。会社が手伝ってくれることも多いんですよ。様式や提出先を整理しましょう」
労災保険は、申請(請求)をして初めて給付を受けられます。仕事中や通勤中のケガ・病気でも、自動で振り込まれるわけではありません。
この記事では1級FP技能士の視点で、労災申請の流れ・必要な様式と提出先・時効(期限)を、初心者向けにやさしく解説します。
労災の申請は①病院を受診→②給付ごとの請求書(様式)を労働基準監督署へ提出→③労基署の調査・認定→④支給という流れです。労災指定医療機関なら窓口負担なしで治療でき(様式5号/16号の3)、指定外は立替後に費用請求(様式7号/16号の5)。休業補償は様式8号/16号の6です。請求は労働者本人が行うのが原則で、会社には協力・証明の義務があります。請求には時効(療養・休業などは2年、障害・遺族は5年)があるので注意しましょう。
労災保険の申請はどう進む?
手続きの流れ
労災は、請求して初めて給付が受けられます。流れは大きく4ステップです。
①会社に報告
仕事中・通勤中にケガや病気をしたら、まず勤務先に報告します。
②病院を受診
労災指定医療機関なら、請求書を病院経由で提出することで窓口負担なく治療できます(現物給付)。指定外の病院は、いったん全額立て替え、後日費用を請求します(償還払い)。
③休業の請求
働けず給与が出ないときは、休業(補償)給付の請求書を労働基準監督署へ提出します。
④調査・認定・支給
労基署が調査・認定し、給付が支給されます。


ポイントは「給付ごとに請求書(様式)を出す」こと。治療費なら療養の請求書、休業なら休業の請求書、と分かれています。請求書には会社(事業主)が事実を証明する欄があり、労基署が認定して初めて支給されます。労災保険そのものの基本は下の記事で解説しています。


誰が申請する?必要な様式と提出先
請求は労働者本人が行うのが原則です。実務では会社が書類作成を手伝ってくれることが多いですが、会社にあるのは申請義務ではなく手続きへの助力・証明の義務。会社が協力してくれない場合でも、本人が直接、労働基準監督署に請求できます。
給付ごとに使う様式は決まっています。業務災害と通勤災害で様式番号が異なる点に注意しましょう(通勤災害は名称に「補償」が付きません)。
| 給付 | 業務災害 | 通勤災害 |
|---|---|---|
| 療養(指定病院・現物給付) | 様式5号 | 様式16号の3 |
| 療養(指定外・費用請求) | 様式7号 | 様式16号の5 |
| 休業 | 様式8号 | 様式16号の6 |
| 障害 | 様式10号 | 様式16号の7 |
| 遺族(年金) | 様式12号 | 様式16号の8 |
※様式は労働基準監督署または厚生労働省サイトで入手できます
提出先は、原則として勤務先を管轄する労働基準監督署です(療養の給付=5号・16号の3は、受診した労災指定医療機関を経由して提出します)。
なお、業務災害で4日以上休業した場合は、会社が「労働者死傷病報告」を提出する義務があります。これを怠る「労災隠し」は法律違反です。
覚え方はシンプルで、業務災害はそのままの番号、通勤災害は「16号の◯」。療養は「指定病院なら現物給付、指定外なら費用請求」で様式が変わります。休業補償の金額の土台となる給付基礎日額は、下の記事で解説しています。


労災申請の期限(時効)は?
間に合わないとどうなる
労災の請求には時効(期限)があります。給付の種類によって、次のように分かれます。
2年…療養(補償)給付・休業(補償)給付・葬祭料(葬祭給付)・介護(補償)給付
5年…障害(補償)給付・遺族(補償)給付
時効を過ぎると請求権が消滅し、給付を受けられなくなります。会社が労災と認めてくれない、協力してくれないといった場合でも、あきらめずに労働基準監督署へ直接相談・請求しましょう。
仕事や通勤が原因なのに健康保険証で受診してしまったときは、労災への切り替えが必要です。
労災の請求権は労働者本人のもの。会社を通さなくても、本人が労働基準監督署に相談・請求できます。書き方がわからない、会社が動いてくれない——そんなときこそ管轄の労基署が頼りになります。相談は無料で、様式の入手や書き方も教えてもらえます。
労災保険の申請方法|よくある質問(FAQ)
- 労災の申請は自分でやらないといけませんか?会社がやってくれますか?
-
請求は労働者本人が行うのが原則ですが、実務では会社が書類作成を手伝ってくれることが多いです。会社には手続きへの助力・証明の義務があります。もし会社が協力してくれない場合でも、本人が直接、労働基準監督署に請求できます。
- 労災の申請に期限(時効)はありますか?
-
あります。療養・休業・葬祭・介護の給付は2年、障害・遺族の給付は5年で時効にかかります。期限を過ぎると請求できなくなるため、ケガや病気をしたら早めに手続きを進めましょう。
- 労災指定病院とそれ以外で手続きは違いますか?
-
違います。労災指定医療機関なら、請求書(様式5号/16号の3)を病院経由で提出することで、窓口負担なく治療を受けられます。指定外の病院では、いったん治療費を全額立て替え、後日、費用請求書(様式7号/16号の5)で払い戻しを受けます。
まとめ
- 労災は請求して初めて給付。流れは「受診→請求書を労基署へ→調査・認定→支給」
- 労災指定病院なら窓口負担なし(5号/16号の3)、指定外は立替→費用請求(7号/16号の5)。休業は8号/16号の6
- 請求は本人が原則。会社は協力・証明の義務あり。協力がなくても本人が直接請求できる
- 時効は療養・休業などが2年、障害・遺族が5年。早めの手続きを
労災保険の申請は、「給付ごとの請求書を労働基準監督署へ提出する」のが基本です。「流れは4ステップ」「指定病院なら窓口負担なし」「時効は2年・5年」の3点を押さえておけば、いざというとき落ち着いて動けます。書き方や様式で迷ったら、管轄の労働基準監督署に相談しましょう。
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【出典】厚生労働省「労災保険給付の概要」「労災保険給付関係請求書等ダウンロード(主要様式)」/労働者災害補償保険法第42条(時効)/労働者災害補償保険法施行規則/各都道府県労働局・労働基準監督署









