出生時育児休業給付金とは?産後パパ育休の条件・金額と育児休業給付金との違いをFPが解説

ぎゅうた

「”産後パパ育休”の給付金って、ふつうの育児休業給付金と何が違うの?名前が似ててこんがらがる…。両方もらえるの?」

みる

「いい質問です。出生時育児休業給付金は”出産直後の8週間限定”の給付で、通常の育休とは別枠。順番に取れば両方もらえます。ただし67%が使える日数には共通の上限があるんです」

出生時育児休業給付金は、いわゆる「産後パパ育休(出生時育児休業)」を取得したときに雇用保険から支給される給付です。

この記事では1級FP技能士の視点で、支給の条件・金額・育児休業給付金との違いをやさしく解説します。通常の育児休業給付金は下の記事で解説しています。

あわせて読みたい
育児休業給付金とは?いくら・いつまでもらえるかと手取り10割の条件をFPが解説 「育休中って給料が出ないんだよね…。育児休業給付金がもらえるって聞いたけど、いくらで、いつまでもらえるの?"手取り10割"って話も見たけど本当?」 「本当です。基...
この記事の結論

出生時育児休業給付金は、子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの育児休業について、最大4週間(28日間)を限度に支給されます。金額は休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%で、2回までの分割取得が対象。支給日数は育児休業給付金の67%の上限日数である180日に通算されます。通常の育児休業給付金とは別枠のため、順番に取得すれば両方受給できます。

目次

出生時育児休業給付金とは?
対象期間と条件

出生時育児休業給付金は、産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した被保険者に支給される給付です。出産直後という最も手が必要な時期に、父親が育児に参加しやすくすることを目的としています。

対象になるのは、子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの育児休業で、最大4週間(28日間)が限度。日数は土日祝を含む暦日で数えます。

出生時育児休業給付金の主な支給要件

①雇用保険の被保険者が、産後パパ育休(出生時育児休業)を取得したこと
②休業開始日前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あること
③休業期間中の就業日数が10日以下(または就業時間80時間以下)であること
④休業期間中に事業主から支払われる賃金が、休業前賃金の80%未満であること

※被保険者期間は、賃金支払基礎日数11日以上(または就業時間80時間以上)の完全月を1か月と数えます。
2回までの分割取得が給付の対象です。

「パパ育休」と呼ばれますが、法律上は父親に限定されていません。ただし母親は産後8週間が産後休業にあたるため、実際に利用するのは主に父親、または養子縁組のケースなどになります。

産後パパ育休と育児休業の関係を示した図解。出生後8週間以内に最大28日間の出生時育児休業を2回まで分割取得でき、その後は通常の育児休業に移行できることを示している

育児休業給付金との違いは?
両方もらえる?

いちばん混同しやすいポイントです。結論から言うと両方受給できます。産後パパ育休は通常の育児休業とは別枠の制度で、出生後8週間以内に産後パパ育休を取り、その後あらためて育児休業を取得する、という組み合わせが可能だからです。

スクロールできます
項目出生時育児休業給付金育児休業給付金
対象の休業産後パパ育休
(出生時育児休業)
育児休業
取得できる時期子の出生日から8週間を経過する日の翌日まで原則1歳まで(最長2歳)
日数の上限通算28日間期間内であれば上限なし
分割回数2回まで原則2回まで
給付率67%67%(180日経過後は50%)
出生時育児休業給付金と育児休業給付金の違い
※出生時育児休業給付金の支給日数は、育児休業給付金の67%の上限日数である180日に通算されます
1級FPの視点|「180日に通算」の意味

見落としがちなのが、出生時育児休業給付金の支給日数は、育児休業給付金の67%が適用される180日にカウントされるという点。たとえば産後パパ育休を28日取得すると、その後の育児休業では残り152日で67%が終わり、以降は50%になります。総額が増えるわけではなく、”前倒しで受け取る”イメージです。ただし出産直後は出費が集中する時期なので、早い段階で受け取れるメリットは大きいと言えます。

ぎゅうた

「両方もらえるけど、67%の日数は共通なんだね。二重取りじゃなくて”前倒し”か…!」

いくらもらえる?手取り10割になる条件

計算式は育児休業給付金と同じです。

出生時育児休業給付金の計算式

出生時育児休業給付金 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数(上限28日)× 67%

※休業開始時賃金日額=休業開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180
※賃金日額には上限額があり、毎年8月1日に改定されます。

休業前の月給30万円(賃金日額10,000円)の人が28日間取得した場合、10,000円×28日×67%=約18万7,600円が支給されます。

さらに、夫婦がともに14日以上の育児休業を取得すると出生後休業支援給付金(13%)が上乗せされ、給付率は合計80%に。

給付金は非課税で社会保険料も免除されるため、実質的に手取り10割相当となります。産後パパ育休はこの上乗せと相性がよく、28日間まるごと対象にしやすいのが強みです。

出生時育児休業給付金に出生後休業支援給付金が上乗せされる仕組みを示した図解。67パーセントに13パーセントが加わり給付率80パーセントとなり手取り10割相当になることを示している

申請方法といつもらえるか

会社への休業の申出は、原則として休業開始日の2週間前まで(通常の育児休業は1か月前まで)。2回に分割する場合は、初回の申出時にまとめて2回分を申し出るのが原則です。

給付金の申請は原則として会社経由でハローワークへ。育児休業給付金と違い、休業終了後にまとめて申請するのが基本で、申請期限は子の出生日から8週間経過後の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日までです。入金は申請から1〜2か月後が目安になります。

出生時育児休業給付金|よくある質問(FAQ)

出生時育児休業給付金と育児休業給付金は両方もらえますか?

両方受給できます。産後パパ育休は通常の育児休業とは別枠のため、出生後8週間以内に産後パパ育休を取得し、その後あらためて育児休業を取得すれば、それぞれの給付金が支給されます。ただし出生時育児休業給付金の支給日数は、育児休業給付金の給付率67%が適用される上限日数180日に通算される点に注意しましょう。

出生時育児休業給付金はいくらもらえますか?

「休業開始時賃金日額 × 支給日数(上限28日)× 67%」で計算します。休業開始時賃金日額は休業開始前6か月間の賃金総額を180で割った額です。月給30万円の方が28日取得した場合は約18万7,600円が目安。さらに夫婦がともに14日以上の育児休業を取得すると出生後休業支援給付金(13%)が上乗せされ、給付率80%=手取り10割相当になります。

母親も出生時育児休業給付金をもらえますか?

法律上、産後パパ育休は父親に限定された制度ではありません。ただし母親は出産日の翌日から8週間が産後休業にあたり、その期間は健康保険の出産手当金の対象となるため、実際に産後パパ育休を利用するのは主に父親です。養子縁組などのケースでは母親側が対象となることもあります。

まとめ

  • 出生時育児休業給付金は、産後パパ育休を取得したときの給付。出生後8週間以内・最大28日間
  • 金額は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」。2回までの分割取得が対象
  • 通常の育児休業給付金とは別枠で両方受給可。ただし支給日数は67%の上限180日に通算される
  • 夫婦ともに14日以上取得すれば出生後休業支援給付金(13%)が上乗せされ手取り10割相当に

出生時育児休業給付金は、出産直後という一番大変な時期を夫婦で乗り切るための制度です。「8週間以内・最大28日」「2回まで分割可」「180日に通算される」の3点を押さえておけば、育休の取り方を設計しやすくなります。産休中の給付とあわせて、早めに全体像をつかんでおきましょう。

▼ 産休・育休でもらえるお金の全体像はこちら

あわせて読みたい
産休・育休中にもらえるお金まとめ|給付金・免除・シミュレーションをわかりやすく解説 「産休・育休って結局いくらもらえるの?」「給料が出ないなら生活できるか不安…」 そんな不安を感じている方も多いと思います。夫婦どちらが読んでも参考になるよう、...
あわせて読みたい
出産手当金とは?いくら・いつもらえるをFPが図解【一時金との違い】 「出産すると50万円もらえるって聞いたけど、それとは別に"出産手当金"ってのもあるんだよね?何が違うの?」 「別物です。50万円の"出産育児一時金"は出産そのものへの...

▼ 保険・社会保障の記事一覧はこちら

あわせて読みたい

【出典】厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」/雇用保険法第61条の8/育児・介護休業法第9条の2/各都道府県労働局・ハローワーク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次