ぎゅうた「転職して再就職手当はもらえたけど、お給料は前より下がっちゃった…。この差額って、どうにもならないのかな?」



「その”目減り分”を補うのが『就業促進定着手当』です。再就職手当を受けた人だけが対象の、いわば第2弾。ただし2025年4月に上限が引き下げられたので、そこは正しく知っておきましょう」
就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人が再就職先に6か月以上勤め、その賃金が前職より下がった場合に、差額分を補ってくれる一時金です。
前回解説した再就職手当の”続き”にあたる制度を、1級FP技能士の視点でやさしく解説します。
就業促進定着手当は
①再就職手当の支給を受けた
②再就職先に6か月以上雇用された
③6か月間の賃金の1日分が離職前の賃金日額より低い
——この3つを満たす場合に支給されます。
金額は「離職前の賃金日額との差額 × 再就職後6か月間の賃金支払基礎日数」。
ただし上限があり、2025年4月1日以降に再就職した場合は「基本手当日額 × 支給残日数 × 20%」に引き下げられました(改正前は30%または40%)。申請期限は6か月経過日の翌日から2か月以内です。
就業促進定着手当とは?もらえる条件
就業促進定着手当は、再就職して賃金が下がった分を補填するための手当です。再就職手当が「早く決めたこと」への給付だとすれば、こちらは「決めた先で働き続けたこと」への給付。段階的な仕組みになっています。
受給には、次の3つをすべて満たす必要があります。


①再就職手当の支給を受けていること
②再就職の日から引き続き6か月以上、その事業主に雇用されていること
③再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回っていること
※①が前提のため、再就職手当を受けていない人は対象になりません。
※6か月の間に退職した場合も対象外です。
「基本手当 → 再就職手当 → 就業促進定着手当」という3段階の流れです。再就職手当をもらっていることが絶対条件なので、まずはそちらの要件を満たしているかがスタートライン。基本手当のしくみは下の記事で解説しています。




いくらもらえる?
計算方法と2025年の上限引き下げ
金額は次の式で計算します。要は下がった分の6か月分を補うイメージです。


(離職前の賃金日額 - 再就職後6か月間の賃金の1日分の額)× 再就職後6か月間の賃金支払基礎日数
【上限額】基本手当日額 × 再就職手当の算定に用いた支給残日数 × 20%
ここで注意したいのが2025年4月1日の改正です。それまで上限の割合は再就職手当の支給率に応じて30%(支給率70%の人)または40%(支給率60%の人)でしたが、一律20%に引き下げられました。同じ条件でも受給額が旧制度の約半分になるケースがあります。
| 時期 | 上限額の計算割合 |
|---|---|
| 2025年3月31日以前に再就職 | 再就職手当の支給率70%の人は30% 再就職手当の支給率60%の人は40% |
| 2025年4月1日以降に再就職 | 再就職手当の支給率にかかわらず一律20% |
※上限は「基本手当日額 × 支給残日数 × 割合」で計算します
計算してみましょう。離職前の賃金日額8,000円、再就職後6か月の賃金の1日分が7,000円、6か月間の賃金支払基礎日数が120日、基本手当日額5,000円・支給残日数60日のケースです。差額1,000円×120日=12万円ですが、上限は5,000円×60日×20%=6万円。
計算式の額と上限額を比べて、低いほうが支給額になるため、この例では6万円が支給されます。
ネット上には「上限は40%」と書かれた情報がまだ多く残っています。市販のテキストでも旧制度のままのものがあるため、2025年4月1日以降に再就職した方は一律20%と覚えておきましょう。なお、上限の計算に使う支給残日数は再就職手当の計算で使った支給残日数であり、再就職手当を受けた後の残日数ではありません。雇用保険受給資格者証で確認できます。



「上限が半分になってたんだ…!古い情報のまま計算してたら、ぬか喜びするところだったよ」
申請方法は?期限は6か月経過後2か月以内
申請できるのは、再就職の日から6か月経過した日の翌日から2か月以内。この期限を過ぎると受け取れないため、カレンダーに印をつけておくと安心です。
提出先は、再就職手当の支給を受けたハローワーク(郵送も可)。主な必要書類は次のとおりです。
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| 就業促進定着手当支給申請書 | 再就職手当の支給決定時に交付される。事業主の証明欄あり |
| 雇用保険受給資格者証 | 再就職手当の支給残日数などを確認するため |
| 賃金台帳・出勤簿など | 6か月間の賃金額と賃金支払基礎日数を確認するため(事業主が用意) |
※詳細は管轄のハローワークにご確認ください
申請書には勤務先の証明が必要なので、6か月が近づいたら早めに会社の担当者へ相談しておくとスムーズです。
就業促進定着手当|よくある質問(FAQ)
- 就業促進定着手当はいくらもらえますか?
-
「(離職前の賃金日額 - 再就職後6か月間の賃金の1日分)× 6か月間の賃金支払基礎日数」で計算し、上限額と比べて低いほうが支給されます。上限額は2025年4月1日以降に再就職した場合、「基本手当日額 × 再就職手当の算定に用いた支給残日数 × 20%」です。賃金が下がっていなければ支給されません。
- 再就職手当をもらっていなくても申請できますか?
-
できません。就業促進定着手当は「再就職手当の支給を受けた人」が対象で、これが大前提の要件です。また、再就職先に引き続き6か月以上雇用されていることも必要なため、6か月を待たずに退職した場合も対象外になります。
- 申請期限はいつまでですか?過ぎたらどうなりますか?
-
再就職の日から6か月経過した日の翌日から2か月以内です。たとえば4月1日に再就職した場合、10月1日が6か月経過日となり、10月2日から12月1日までが申請期間になります。期限を過ぎると原則として受給できないため、早めの準備が大切です。
まとめ
- 就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人の「賃金の目減り分」を補う一時金
- 要件は①再就職手当を受給②6か月以上継続雇用③賃金が離職前より低下、の3つ
- 金額は「差額 × 6か月間の賃金支払基礎日数」。上限は2025年4月から一律20%に引き下げ
- 申請期限は6か月経過日の翌日から2か月以内。勤務先の証明が必要
就業促進定着手当は、転職で収入が下がったときの”最後のひと押し”になる制度です。「再就職手当を受けた人が対象」「6か月勤務+賃金低下」「上限は一律20%」の3点を押さえておけば、取りこぼしを防げます。自分がいくらもらえるかは、雇用保険受給資格者証を持って管轄のハローワークで確認しましょう。
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【出典】厚生労働省「就業促進定着手当のご案内」/ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」/雇用保険法第56条の3/雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号・令和7年4月1日施行)/各都道府県労働局・ハローワーク









