ぎゅうた「基礎控除が95万円に増えたって聞いたんだけど、手取りも増えるんですか?」



「いい質問です。令和7年の改正で基礎控除は大きく変わりました。ただし”全員が95万円”ではなく、住民税は変わらないなど注意点もあります。今日はそこをスッキリ整理しましょう」
「基礎控除」は、所得税を計算するうえでほぼすべての人に関わる、最も基本的な控除です。
令和7年度の税制改正で金額が大きく見直され、これまでの48万円から最大95万円まで引き上げられました。この記事では、1級FP技能士の視点で「基礎控除がいくらになったのか」「会社員は何に気をつければいいのか」を、初心者向けにやさしく解説します。
基礎控除は令和7年分から最大95万円に引き上げ。合計所得132万円以下なら95万円が適用されます。ただし住民税は据え置き、132万円超の上乗せは令和8年分までの時限措置です。
基礎控除とは?
基礎控除とは、合計所得が一定以下の人なら、申請なしで自動的に所得から差し引ける控除です。所得税法第86条に定められた、所得控除の”土台”にあたる存在です。
所得控除には基礎控除のほかに、生命保険料控除や扶養控除など全部で16種類があります。基礎控除以外の控除をまとめて知りたい方は、こちらの記事で一覧にまとめています。
▼ 所得控除の全16種類を知りたい方はこちら


基礎控除はいくらに変わった?令和7年改正の早見表
令和7年度の改正で、基礎控除は合計所得金額に応じた金額に変わりました。改正前は一律48万円でしたが、今は次のように細かく区分されています。


| 合計所得金額 | 控除額(令和7・8年分) |
|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 |
| 132万円超 336万円以下 | 88万円(※令和9年分以降58万円) |
| 336万円超 489万円以下 | 68万円(※令和9年分以降58万円) |
| 489万円超 655万円以下 | 63万円(※令和9年分以降58万円) |
| 655万円超 2,350万円以下 | 58万円 |
| 2,350万円超 2,400万円以下 | 48万円 |
| 2,400万円超 2,450万円以下 | 32万円 |
| 2,450万円超 2,500万円以下 | 16万円 |
| 2,500万円超 | なし |
合計所得132万円以下(給与収入のみなら約200万円以下)なら控除額は95万円。令和8年分まではそれ以上の所得層にも上乗せがありますが、令和9年分からは132万円超が一律58万円に統一されます。合計所得2,500万円を超える人は基礎控除を受けられません。
注目すべきは「恒久措置」と「時限措置」の違いです。132万円以下の95万円は今後も続く恒久措置ですが、132万円超〜655万円以下の上乗せ(88万・68万・63万円)は令和7・8年分の2年限定。古い情報のまま「ずっと88万円」と誤解しないよう注意が必要です(国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」参照)。



「数字が9段階もあると混乱するね…。結局、普通の会社員はどこを見ればいいんだろ?」



「年収が高めの会社員は58万円が基本ライン、と覚えればOKです。それでも改正前の48万円より10万円増えているので、ほとんどの人が減税になります」
会社員は基礎控除の改正で何に注意すればいい?
会社員が押さえておきたいポイントは3つです。
①「160万円の壁」に変わった
給与所得控除の最低額が65万円に上がり、基礎控除95万円と合わせて、所得税がかからない年収ラインが従来の「103万円」から160万円に引き上げられました。
② 住民税の基礎控除は据え置き
今回引き上げられたのは所得税の基礎控除だけです。住民税の基礎控除(43万円)は改正されていないため、「年収160万円なら税金ゼロ」とはなりません。住民税は別途かかる点に注意です。
③ 手続きは原則”自動”
基礎控除は申請不要で、年末調整や確定申告のなかで自動的に精算されます。会社員なら令和7年12月の年末調整で改正後の金額が反映されています。
▼ 住民税の仕組みをくわしく知りたい方はこちら


基礎控除のよくある質問(FAQ)
- 基礎控除95万円はいつから適用されますか?
-
令和7年(2025年)分の所得税から適用されます。会社員は令和7年12月の年末調整で、個人事業主は令和8年2〜3月の確定申告(令和7年分)で新しい控除額が反映されます。
- 基礎控除は申請しないと受けられませんか?
-
いいえ。基礎控除は合計所得2,500万円以下の人に自動的に適用されるため、特別な申請は不要です。年末調整や確定申告のなかで自動的に差し引かれます。
- 住民税の基礎控除も95万円になりますか?
-
なりません。今回引き上げられたのは所得税の基礎控除のみで、住民税の基礎控除(43万円)は据え置きです。所得税が非課税でも住民税はかかるケースがあるため、混同しないよう注意しましょう。
まとめ
- 基礎控除は令和7年分から最大95万円に引き上げ(改正前は一律48万円)
- 合計所得132万円以下なら95万円、高所得の会社員は58万円が基本ライン
- 132万円超の上乗せは令和8年分までの時限措置。住民税は据え置き
基礎控除は「申請しなくても受けられる」控除ですが、金額がいくらかを知っておくと、ふるさと納税の上限額や年収の壁を考えるときに役立ちます。次は、控除を引いたあとの「課税所得」に税率がどうかかるのかを見ていきましょう。
▼ 課税所得と税率の仕組みはこちら


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【出典】国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」/国税庁「No.1199 基礎控除」









