災害減免法とは?雑損控除との違いと使い分けをFPが解説

ぎゅうた

「前回、災害の税金の救済で”雑損控除”を教わったよ。ほかにも制度があるって本当?」

みる

「はい、もう一つ”災害減免法”があります。この2つは、どちらか有利な方を選ぶ関係。被害の大きさで使い分けるのがポイントです」

災害減免法による所得税の軽減免除は、災害で住宅や家財に大きな被害を受けたとき、その年の所得税を直接軽くする制度です。所得控除の「雑損控除」とセットで知っておきたい、災害時の救済策です。

この記事では、1級FP技能士の視点で「対象と軽減額」「雑損控除との使い分け」を、初心者向けにやさしく解説します。

この記事の結論

災害減免法は、災害で住宅・家財が時価の1/2以上の損害を受けたとき、その年の所得税を軽減・免除する制度です。所得1,000万円以下が条件で、所得に応じて全額〜1/4を軽減。雑損控除とはどちらか有利な方を選びます。

目次

災害減免法とは?対象と軽減額

災害減免法の対象になるのは、次の条件を満たす人です。

災害で住宅・家財が時価の1/2以上の損害を受けた
・その年の合計所得金額が1,000万円以下
・雑損控除の適用を受けない

軽減される所得税額は、所得に応じて次のように決まります。

災害減免法で軽減・免除される所得税額を合計所得金額別にまとめた早見表
スクロールできます
その年の合計所得金額軽減・免除される所得税
500万円以下全額(免除)
500万円超 750万円以下2分の1
750万円超 1,000万円以下4分の1
上の表のポイント

所得500万円以下ならその年の所得税が全額免除、500万円超750万円以下なら2分の1、750万円超1,000万円以下なら4分の1が軽減されます。所得1,000万円を超える人は災害減免法を使えず、雑損控除のみとなります。なお対象は「災害」に限られ、盗難・横領は含まれません。

雑損控除とどっちを選ぶ?

災害で住宅・家財が損害を受けた場合、雑損控除と災害減免法はどちらか有利な方を選びます(併用は不可)。所得と被害の大きさで、選べるパターンが変わります。

合計所得金額と損害の大きさに応じて雑損控除と災害減免法のどちらを選べるかを示したフロー図
FP1級の視点

使い分けの結論はシンプルです。被害が大きく損失がその年の所得を超えるほどなら「雑損控除」。雑損控除は引ききれない分を3年間くり越せるため、複数年で税負担を軽くできます。一方、その年の所得税をまず軽くしたい・手続きがシンプルなのがよいなら「災害減免法」。ただし災害減免法は翌年へのくり越しができず、その年限りです。迷ったら両方で試算して有利な方を選びましょう(国税庁「No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除」参照)。

ぎゅうた

「被害が大きいなら繰り越せる雑損控除、その年の税金をすぐ軽くしたいなら災害減免法、という感じだね」

▼ 雑損控除についてくわしく知りたい方はこちら

手続きと注意点

災害減免法を使うには、会社員でも確定申告が必要です。り災証明書などを添えて申告します。

注意点は2つ。翌年へのくり越しができないこと、そして対象が災害に限られ、盗難・横領・詐欺は対象外であることです。盗難や横領による損害は、雑損控除で対応します。

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災害減免法のよくある質問(FAQ)

災害減免法と雑損控除は両方使えますか?

併用はできません。どちらか有利な方を選びます。一般的には、被害が大きく損失がその年の所得を超えるほどなら、3年間くり越せる雑損控除が有利です。逆に被害が中程度で、その年の所得税をまず軽くしたい場合は災害減免法が有利なこともあります。

盗難や空き巣の被害でも災害減免法は使えますか?

使えません。災害減免法の対象は震災・風水害・火災などの「災害」に限られます。盗難・横領による損害は雑損控除の対象になるため、そちらで申告します。詐欺・恐喝はどちらの制度でも対象外です。

所得が1,000万円を超えると使えないのですか?

はい。災害減免法はその年の合計所得金額が1,000万円以下の人が対象です。1,000万円を超える場合は災害減免法を使えず、雑損控除のみとなります。雑損控除には所得の上限がないため、高所得の方は雑損控除で対応します。

まとめ

  • 災害で住宅・家財が時価の1/2以上の損害+所得1,000万円以下が条件。全額〜1/4を軽減
  • 雑損控除とはどちらか有利な方を選択。被害が大きいなら繰越できる雑損控除が有利
  • 災害減免法は翌年繰越なし・災害のみ対象(盗難横領は雑損控除)。会社員も確定申告が必要

災害減免法と雑損控除は、災害時の心強い2つの救済策です。いざというときに慌てないよう、「被害の大きさで選ぶ」という考え方を覚えておきましょう。

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【出典】国税庁「No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除」/「No.8004 災害により被害を受けたときの所得税の取扱い」/「No.1110 雑損控除」

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