流動性預金とは?普通預金との違いと種類をFPがわかりやすく解説

ぎゅうた

「前回、預金は”流動性”と”定期性”の2つに分かれるって教えてもらったよね。じゃあ流動性預金って、普通預金とは違うものなの?なんだか名前が難しくて…」

みる

「いい質問です。普通預金は流動性預金の”仲間のひとつなんです。つまり大きなグループの名前が流動性預金。ほかにどんな仲間がいるか、一緒に見ていきましょう」

流動性預金とは、いつでも自由に出し入れできる預金のこと。毎日の生活に使うお金の置き場所です。

この記事では1級FP技能士の視点で、流動性預金の種類と選び方を、初心者の方にもわかりやすく解説します。預金全体の分類は下の記事で解説しています。

この記事の結論

流動性預金は満期がなく、いつでも入出金できる預金のグループ名です。代表は普通預金で、ほかに貯蓄預金などがあります。貯蓄預金は一定額以上の残高を保っていれば普通預金より高い金利が付きますが、給与の受取や自動引き落としには使えません。金利は低めですが、生活費といざというときのお金は流動性預金に置くのが基本です。

目次

流動性預金とは?いつでも出し入れできる預金

「流動性」という言葉は難しく聞こえますが、意味はシンプルです。お金が動かしやすい=いつでも引き出せるということ。

定期預金のように「3年間は引き出せません」という満期がなく、必要なときにATMや窓口で自由に出し入れできます。この自由さが最大の特徴です。

その代わり、金利は低めに設定されています。銀行としては「いつ引き出されるかわからないお金」なので、長く預けてもらえる定期預金ほど高い金利を付けられないためです。

流動性預金の種類を示した図解。いつでも入出金できる流動性預金には普通預金と貯蓄預金があり、それぞれの特徴が異なることを示している
上の図のポイント

流動性預金はグループ名で、その中に普通預金や貯蓄預金があります。「普通預金=流動性預金」ではなく「普通預金は流動性預金のひとつ」という関係です。ふだん使っている銀行口座は、ほとんどが普通預金だと思ってよいでしょう。

普通預金と貯蓄預金の違い

流動性預金のなかでも、よく比べられるのがこの2つです。

スクロールできます
項目普通預金貯蓄預金
出し入れいつでも自由いつでも自由
金利低め一定額以上の残高があれば
普通預金より高いことが多い
給与の受取できるできない
自動引き落とし
(公共料金・カード)
できるできない
向いている使い方生活費の出し入れしばらく置いておくお金
普通預金と貯蓄預金の違い
※金融機関により取扱いや条件は異なります

いちばん大きな違いは「決済に使えるかどうか」です。貯蓄預金は金利が有利になる一方で、給与の受取口座にしたり、公共料金やクレジットカードの引き落とし口座にしたりすることはできません

1級FPの視点|貯蓄預金より先に確認したいこと

「金利が高いなら貯蓄預金に移そう」と考える前に、今の普通預金の金利と比べてみましょう。近年はネット銀行の普通預金のほうが、一般的な銀行の貯蓄預金より金利が高いこともあります。

また、貯蓄預金は残高が基準を下回ると金利が下がるのが一般的。金利差だけで判断せず、「引き落としに使えない不便さ」と釣り合うかで考えるのがおすすめです。

ぎゅうた

「金利が高いだけで選んじゃダメなんだね。引き落としに使えないのは困るかも…!」

銀行は「預金」、ゆうちょ銀行は「貯金」

知っておくと混乱しないのが呼び方の違いです。銀行に預ける場合は「預金」、ゆうちょ銀行に預ける場合は「貯金」といいます。JAバンク(農協)なども「貯金」です。

呼び方が違うだけで、仕組みは同じと考えて問題ありません。ゆうちょ銀行の流動性貯金には、次のようなものがあります。

スクロールできます
ゆうちょ銀行銀行でいうと決済口座として
通常貯金普通預金使える
通常貯蓄貯金貯蓄預金使えない
ゆうちょ銀行の流動性貯金
※どちらも預入は1円以上1円単位、満期の制限はありません

関係も銀行とまったく同じで、通常貯蓄貯金は一定額以上の残高があれば通常貯金より高い金利が付く一方、決済口座としては使えません。名前が違うだけ、と覚えておけば十分です。

流動性預金にいくら置く?目安の考え方

金利が低いからといって、流動性預金を減らしすぎるのは危険です。すぐに使えるお金がないと、いざというときに困るからです。

流動性預金に置いておく金額の目安を示した図解。毎月の生活費といざというときのお金として生活費の3から6か月分を確保し、それを超える分を定期性預金や投資に回すことを示している
流動性預金に置いておきたいお金

①毎月の生活費…家賃・食費・光熱費など、日々出入りするお金
②いざというときのお金…病気・失業・家電の故障などに備える。生活費の3〜6か月分が目安

この2つを確保したうえで、それを超える分を定期性預金や投資に回していくのが基本の順番です。

たとえば毎月の生活費が20万円なら、いざというときのお金は60万〜120万円が目安。会社員か自営業か、家族構成などによっても変わります。収入が不安定な方ほど多めに確保しておくと安心です。

流動性預金|よくある質問(FAQ)

流動性預金と普通預金は何が違いますか?

流動性預金はグループの名前で、普通預金はその中のひとつです。流動性預金とは、満期がなくいつでも入出金できる預金の総称で、普通預金のほか貯蓄預金などが含まれます。ふだん給与の受取や引き落としに使っている口座は、ほとんどが普通預金です。

貯蓄預金は普通預金より得ですか?

一概には言えません。貯蓄預金は一定額以上の残高を保っていれば普通預金より高い金利が付くことが多い一方、給与の受取口座や公共料金・クレジットカードの引き落とし口座には使えません。また残高が基準を下回ると金利が下がるのが一般的です。金利差と使い勝手の両方を比べて判断しましょう。

流動性預金にはいくら置いておけばいいですか?

毎月の生活費に加えて、いざというときに備えるお金として生活費の3〜6か月分が目安です。毎月の生活費が20万円なら60万〜120万円ほど。病気やケガ、失業、家電の故障など急な出費に対応するためのお金なので、すぐに引き出せる流動性預金に置いておきます。収入が不安定な方は多めに確保すると安心です。

まとめ

  • 流動性預金は「満期がなく、いつでも出し入れできる預金」のグループ名
  • 代表は普通預金。ほかに貯蓄預金などがある
  • 貯蓄預金は金利が有利になることがあるが、給与受取や引き落としには使えない
  • 生活費といざというときのお金(生活費の3〜6か月分)は流動性預金に置く

流動性預金は、金利で増やすための預金ではなく「暮らしを支える土台」です。まずは生活費といざというときのお金をここに確保することが、資産形成の第一歩になります。次回は、もうひとつのグループである定期性預金をくわしく解説します。

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【出典】全国銀行協会「教えて!くらしと銀行」/ゆうちょ銀行「通常貯金・通常貯蓄貯金」/金融庁「基礎から学べる金融ガイド」

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