ぎゅうた「前回、東証には3つの市場があるって教えてもらったよね。あれってどうやって分けられてるの?あと名古屋とかの取引所にも市場があるのかな?」



「いい質問です。市場ごとにクリアすべき基準が決まっていて、それが企業の規模の目安になります。地方の取引所にもそれぞれ市場がありますよ。今回は一歩踏み込んで見ていきましょう」
前回は東証の3市場をざっくり紹介しました。今回はその深掘り編。市場ごとの基準と、東証以外の取引所について、1級FP技能士の視点でわかりやすく解説します。


東証の3市場には、それぞれ上場を続けるための基準(上場維持基準)があります。株主の数や、市場で売買される株式の規模などが決められていて、プライムがもっとも厳しく、グロースがもっともゆるやか。基準を満たせないと上場廃止になることもあります。また東証以外にも名古屋・札幌・福岡に取引所があり、それぞれ独自の市場を持っています。
3市場の基準を比べてみる
東証の各市場には、上場を続けるためにクリアし続ける必要がある上場維持基準があります。代表的なものを比べてみましょう。


| 項目 | プライム | スタンダード | グロース |
|---|---|---|---|
| 株主の数 | 800人以上 | 400人以上 | 150人以上 |
| 市場で売買される 株式の時価総額 | 100億円以上 | 10億円以上 | 5億円以上 |
| 市場で売買される 株式の割合 | 35%以上 | 25%以上 | 25%以上 |
※基準は見直されることがあります。
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数字を全部覚える必要はありません。大事なのはプライムの基準が飛び抜けて高いということ。時価総額でいえばグロースの20倍です。
「市場で売買される株式」とは、創業者や親会社などが持っていて実際には売買されない株を除いた分のこと。多くの投資家が自由に売買できる状態かどうかを見ているわけです。
それぞれの市場が目指す姿も違います。プライムは世界の投資家を意識した大企業向け、スタンダードは基本的な体制を備えた企業向け、グロースは成長性が期待される一方で実績の面ではリスクが高い企業向けと位置づけられています。



「グロースは”リスクが高い”って公式に言われてるんだ…!知らずに買うと危ないね」
東証以外にもある!4つの取引所
証券取引所は東証だけではありません。名古屋・札幌・福岡にもあり、それぞれ独自の市場を持っています。


| 取引所 | 市場 |
|---|---|
| 東京証券取引所 | プライム/スタンダード/グロース ほかにプロ投資家向けの市場も |
| 名古屋証券取引所 | プレミア/メイン/ネクスト |
| 札幌証券取引所 | 本則/アンビシャス |
| 福岡証券取引所 | 本則/Q-Board |
名古屋のネクスト、札幌のアンビシャス、福岡のQ-Boardは、いずれも成長途上の企業向けの市場。地元企業が上場していることが多く、地域経済を支える役割も担っています。
覚えておきたいのは、上場維持基準は見直されることがあるという点です。実際、グロース市場では基準を厳しくする方向で見直しが進められています。
基準が厳しくなると、クリアできない企業は上場廃止になる可能性があります。上場廃止になると市場で売買できなくなり、株価にも大きく影響します。数字を暗記する必要はありませんが、「自分が買った会社がどの市場にいて、基準を満たしているか」は、ときどき確認しておくと安心です。
証券取引所の市場区分|よくある質問(FAQ)
- 上場維持基準を満たせないとどうなりますか?
-
すぐに上場廃止になるわけではなく、改善のための期間が設けられます。その期間内に基準を満たせば上場を続けられますが、改善しないまま期間が過ぎると上場廃止になることがあります。上場廃止になると証券取引所で売買できなくなるため、株価にも大きな影響が出ます。保有している銘柄については、こうした情報も確認しておきましょう。
- 名古屋や福岡の取引所の株も買えますか?
-
買えます。ただし証券会社によって取扱いが異なるため、利用している証券会社が対応しているか確認が必要です。地方の取引所には地元企業が多く上場していますが、東証に比べて売買が少ない銘柄もあり、売りたいときにすぐ売れないことがあります。初心者のうちは、まず東証の銘柄から検討するとよいでしょう。
- グロース市場の株は買わないほうがいいですか?
-
そうとは限りません。グロース市場は高い成長が期待される企業向けの市場で、大きく成長する企業もあります。ただし事業の実績という点では相対的にリスクが高い企業向けの市場と位置づけられており、値動きも大きくなりがちです。投資する場合は事業内容をよく調べ、生活に影響しない金額にとどめるのが基本です。
まとめ
- 東証の3市場には上場を続けるための基準があり、プライムがもっとも厳しい
- 基準は株主の数や、市場で売買される株式の規模などで決まる
- 東証のほか、名古屋・札幌・福岡にも取引所があり独自の市場を持つ
- 基準は見直されることがあり、満たせないと上場廃止になる可能性も
市場の基準まで知っておくと、その会社がどんな段階にいるのかがより立体的に見えてきます。数字を覚える必要はありませんが、「プライムは厳しい基準をクリアし続けている会社」という感覚を持っておくだけでも、銘柄選びの助けになります。
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【出典】日本取引所グループ「市場区分の概要」「上場維持基準の概要」/名古屋証券取引所・札幌証券取引所・福岡証券取引所 各サイト/日本証券業協会「株式投資の基礎知識」







