ぎゅうた「投資の記事を読んでると”利率2%”と”利回り2%”って両方出てくるけど、これって同じ意味じゃないの?なんで言い方が違うんだろう…」



「実はまったく別のものです。利率は”利息の割合”、利回りは”収益全体の割合”。この違いを知らないまま商品を比べると、判断を間違えてしまうんですよ」
金融商品を比べるときに欠かせないのが利率と利回り。似た言葉ですが意味は違い、どちらを見るかで商品の評価が変わります。
この記事では1級FP技能士の視点で、2つの違いと利回りの計算方法を、初心者向けにやさしく解説します。
利率は「元本に対する利息の割合」、利回りは「元本に対する1年間の収益の割合」です。利回りは利息だけでなく売却損益なども含めた収益全体で計算するため、利率とは一致しないことがあり、マイナスになることもあります。計算式は「(収益合計÷預入年数)÷元本×100」。投資商品の収益性を比べるときは、利率ではなく利回りで見ましょう。
利率と利回りの違い|何が違う?
まず定義を押さえましょう。
利率…元本に対する利息の割合。「%」で表します。
利回り…元本に対する1年間の収益の割合。「年平均利回り」ということもあります。
ポイントは「収益」の中身です。利率が見ているのは利息だけ。これに対して利回りは、利息に加えて売却益や値上がり益なども合計して計算します。


| 項目 | 利率 | 利回り |
|---|---|---|
| 何の割合か | 元本に対する利息 | 元本に対する1年間の収益 |
| 含まれるもの | 利息のみ | 利息+売却損益など |
| マイナスになる? | ならない | なることがある |
| 使う場面 | 受け取る利息の計算 | 投資商品の収益性の比較 |
覚え方は「利率=もらえる利息の率」「利回り=トータルで儲かった率」。利回りは損失も含めて計算するため、マイナスになることもあります。投資商品を比較するときは、必ず利回りで見るようにしましょう。
なぜズレる?一致する商品としない商品
「利率と利回りが違う」と言われても、ピンとこないかもしれません。実は商品によって、一致する場合としない場合があります。
定期預金のように利息しか発生しない商品では、収益=利息なので、利率と利回りはほぼ一致します。この場合はどちらを見ても評価は変わりません。
一方、値動きのある商品では話が変わります。株式や投資信託、債券などは、利息や分配金のほかに売却益(値上がり益)や売却損(値下がり損)が発生するためです。
| 商品のタイプ | 収益の内訳 | 利率と利回り |
|---|---|---|
| 利息のみの商品 (定期預金など) | 利息 | ほぼ一致する |
| 値動きのある商品 (株式・投資信託・債券など) | 利息・分配金 +売却損益 | ズレる |
金融商品の広告で大きく表示されている数字が、利率なのか利回りなのかは必ず確認しましょう。利率が高くても、購入時の手数料や値下がりを考えると実際の利回りは低い——ということが起こり得ます。逆に利率が低くても、値上がり益があれば利回りは高くなります。「実際に手元にいくら残るか」を表すのは利回り。ここを見る習慣をつけると、商品選びの精度が上がります。



「同じ”2%”でも中身が違うんだ…!どっちの数字なのか見ないと危ないね」
利回りの計算方法|年平均利回りの求め方
利回りは、投資している期間の収益または損失を合計し、それを1年当たりに換算してから元本で割って求めます。
利回り(%)= (収益合計 ÷ 預入年数)÷ 元本 × 100
※収益合計には利息だけでなく売却損益なども含めます。マイナスになることもあります。


計算例で確認しましょう。元本100万円を1年間預けて、合計2万円の収益を得た場合——
(2万円 ÷ 1年)÷ 100万円 × 100 = 2%
では3年間で合計6万円の収益だった場合はどうでしょうか。収益を年数で割るので、(6万円 ÷ 3年)÷ 100万円 × 100 = 2%。合計額は3倍でも、年平均利回りは同じ2%になります。
「3年で6万円」と「1年で2万円」は、収益の合計額こそ違いますが、お金の増えるスピードは同じです。年数で割って1年当たりに直すことで、運用期間が違う商品どうしを同じ土俵で比べられるようになります。これが利回りを使う最大のメリットです。
利率と利回り|よくある質問(FAQ)
- 利率と利回りと金利は何が違いますか?
-
金利はお金を貸し借りするときの利息の割合を指す幅広い言葉で、利率とほぼ同じ意味で使われます。これに対し利回りは、利息だけでなく売却損益なども含めた1年間の収益の割合です。つまり「金利・利率=利息の率」「利回り=収益全体の率」と整理できます。投資商品の収益性を比較するときは利回りを見ます。
- 利回りがマイナスになることはありますか?
-
あります。利回りは利息だけでなく売却損益なども合計して計算するため、値下がりによる損失が利息を上回ると収益合計がマイナスになり、利回りもマイナスになります。一方、利率は利息の割合なのでマイナスにはなりません。この点も、値動きのある商品を評価するときに利回りを見るべき理由のひとつです。
- 利率と利回り、どちらを見て商品を選べばいいですか?
-
投資商品を比較するときは利回りで見ます。利率は受け取る利息を計算するための数字で、値上がり益や値下がり損は反映されていないためです。利回りなら運用期間の違う商品どうしも同じ基準で比較できます。ただし定期預金のように利息しか発生しない商品では、利率と利回りはほぼ一致するため、どちらを見ても評価は変わりません。
まとめ
- 利率は「元本に対する利息の割合」、利回りは「元本に対する1年間の収益の割合」
- 利回りは売却損益も含むため、マイナスになることもある
- 定期預金など利息のみの商品では一致し、値動きのある商品ではズレる
- 年平均利回り=(収益合計÷預入年数)÷元本×100。1年あたりに換算するのがポイント
利率と利回りの違いがわかると、金融商品の比較がぐっと正確になります。「利率=利息の率」「利回り=トータルの収益率」——この2つを区別できれば、広告の数字に惑わされることもありません。投資商品を選ぶときは、必ず利回りで比べる習慣をつけましょう。
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【出典】金融庁「基礎から学べる金融ガイド」/日本証券業協会「投資の基礎知識」/全国銀行協会「教えて!くらしと銀行」









