板寄せ方式とザラバ方式とは?株の売買が成立するしくみをFPが解説

ぎゅうた

「注文の出し方はわかったよ!でも、朝いちばんの株価ってどうやって決まるの?夜のうちに注文がたくさんたまってそうだけど…」

みる

「鋭いですね。実は取引所には2つの売買のしかたがあって、朝いちばんと取引中では処理の方法が違うんです。知っておくと、注文のタイミングを考えるときに役立ちますよ」

証券取引所では、集まった注文を板寄せ方式(いたよせほうしき)ザラバ方式という2つの方法で処理しています。

この記事では1級FP技能士の視点で、2つの違いと、知っておくと役立つポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

この記事の結論

板寄せ方式は、たまった注文をまとめて処理して1つの値段を決める方法。取引開始時(寄付)や終了時(引け)に使われ、その日の始値などを決めます。ザラバ方式は、取引時間中に条件が合った注文から次々に成立させていく方法です。板寄せでは同じ値段で成立するため、時間優先の原則は使われません

目次

2つの売買方式の違い

取引所では、タイミングによって注文の処理方法が変わります

板寄せ方式とザラバ方式の違いを示した図解。取引開始時と終了時は板寄せ方式でまとめて1つの値段を決め、取引時間中はザラバ方式で条件の合った注文から次々に成立することを示している
スクロールできます
項目板寄せ方式ザラバ方式
使われる場面取引の開始時・終了時
(寄付・引け)
取引時間中
(開始と終了の間)
処理のしかたたまった注文を
まとめて処理
条件が合った注文から
次々に成立
成立する値段すべて同じ1つの値段そのつど変わる
時間優先の原則使われない使われる
板寄せ方式とザラバ方式の違い

取引が始まる前には、夜のうちに出された注文がたくさんたまっています。これを1件ずつ処理すると混乱するため、いったん全部を集めて、売りと買いがうまく釣り合う1つの値段を決める

——これが板寄せ方式です。
ここで決まるのがその日の始値です。

取引が始まったあとは注文が落ち着くので、条件の合ったものから順に成立させていきます。これがザラバ方式。取引時間中はこちらが使われます。

上の図・表のポイント

イメージは「板寄せ=せーので一斉に」「ザラバ=合った人からどんどん」。板寄せではみんな同じ値段で成立するので、早く注文を出した人が有利になる時間優先の原則は使われません。ここが試験でもよく問われるポイントです。

ぎゅうた

「朝は”せーの”でまとめて決まるんだ!だから注文が早くても意味がないのか」

知っておくと役立つ場面

この仕組みを知っていると、注文を出すタイミングを考えるときに役立ちます。

たとえば取引開始前に注文を出す場合、何時に出しても板寄せでまとめて処理されるため、1分でも早く出そうと焦る必要はありません(同じ値段の注文どうしでは順番がつかないため)。

また、取引開始前に成行注文を出すと、始値がいくらになるかわからないまま買うことになります。前日に大きなニュースが出ていた場合、想定よりかなり高い値段で成立することもあるのです。

取引開始前の成行注文の注意点を示した図解。夜のうちにニュースが出ると始値が大きく上がることがあり、成行注文では想定より高い値段で成立してしまうことを示している
1級FPの視点|朝いちばんの成行注文には注意

意外な落とし穴が「取引開始前の成行注文」です。夜のうちに好材料のニュースが出ていると、朝は買い注文が殺到し、前日の終値よりずっと高い値段で始値がつくことがあります。

成行で注文していると、その高い値段でそのまま買うことに。「昨日の株価を見て注文したのに、全然違う値段で買っていた」という失敗はここから起こります。

前回もお伝えしたとおり、慣れないうちは指値注文が安心です。とくに朝いちばんの注文では、上限を決めておきましょう。

株の売買方式|よくある質問(FAQ)

板寄せ方式とザラバ方式の違いは何ですか?

使われる場面と処理のしかたが違います。板寄せ方式は取引の開始時(寄付)や終了時(引け)に使われ、たまった注文をまとめて処理してすべて同じ1つの値段で成立させます。ザラバ方式は取引時間中に使われ、条件の合った注文から次々に成立させていく方法です。板寄せ方式では時間優先の原則は適用されません。

取引開始前に早く注文を出したほうが有利ですか?

板寄せ方式ではすべて同じ値段で成立するため、注文の早さによる有利不利はありません。何時に出してもまとめて処理されます。ただし、取引が始まったあとのザラバ方式では時間優先の原則が働くため、同じ値段の指値注文であれば先に出したほうが優先されます。

始値と終値はどうやって決まりますか?

どちらも板寄せ方式で決まります。取引開始時にたまっていた注文をまとめて処理して決まるのが始値、取引終了時に同じように処理して決まるのが終値です。その間の取引時間中はザラバ方式で売買が行われ、そのつど価格が変わっていきます。

まとめ

  • 板寄せ方式は、取引の開始時・終了時にたまった注文をまとめて処理する方法
  • 板寄せではすべて同じ値段で成立し、時間優先の原則は使われない
  • ザラバ方式は、取引時間中に条件の合った注文から次々に成立させる方法
  • 取引開始前の成行注文は、想定外の値段で成立することがあるので注意

売買方式はやや専門的な内容ですが、「朝と夕方はまとめて、日中は順番に」と覚えておけば十分です。仕組みを知っておくと、注文のタイミングに落ち着いて向き合えるようになります。

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【出典】日本取引所グループ「売買制度」「価格決定方法」/日本証券業協会「株式投資の基礎知識」/金融庁「基礎から学べる金融ガイド」

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